本物の直木賞選考会(第155回)~結果・講評~ | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

久々の大三振ショー!!
直木賞って一体なんなんでしょうね。。。。

◇◆

2016年7月19日、直木賞が決定した。

<直木賞>荻原浩さんの「海の見える理髪店」が受賞 芥川賞は村田沙耶香さんの「コンビニ人間」

「第155回芥川龍之介賞(以下、芥川賞)と直木三十五賞(以下、直木賞)が19日、発表され、
芥川賞は村田沙耶香(むらた・さやか)さんの「コンビニ人間」(文學界6月号)、
直木賞は荻原浩(おぎわら・ひろし)さんの「海の見える理髪店」(集英社)が受賞した。」

◇◆

推しメンの一人、荻原さん、本物の直木賞受賞おめでとうございます!!

オジチャン受賞時に当ててきたのに、
今回の荻原さん、推しメンだわ、オジチャンだわ、の条件が揃っていながら外してもうた!
もんのすっっっっっっごく複雑。

過去最大の自信作であった(私が書いたわけじゃないけど)、
原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』が受賞できなかったのはともかく、
まさかの荻原さんの受賞に本当に驚いた。
そりゃ嬉しいんだけども〜、でもさ〜・・・延々。

なーんてブツクサ言ってても仕方ない。
さっさと早速答え合わせと参りましょう。
模範解答はいつもどおり、産経ニュースから。

◇◆

【直木賞選評】
作家、宮部みゆきさん「圧倒的な読み心地のよさと心に残る短編集」


第155回直木賞は、荻原浩さん(60)の「海の見える理髪店」(集英社)に決まった。
東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれた選考会の後、
選考委員で作家の宮部みゆきさん(55)が会見し、選考の経過を説明した。

◇◆

宮部みゆきさんの選評に照らし合わせ、三振クイーンの解答↓

あもる一人直木賞(第155回)選考会ースタートー
あもる一人直木賞(第155回)選考会ー途中経過1ー
あもる一人直木賞(第155回)選考会ー途中経過2ー
あもる一人直木賞(第155回)選考会ー結果発表・統括ー
魔のあもる推し被害者の会発足前夜。

を見ながら反省していこう。

※ >はあもちゃんの選評、「」は本物の直木賞選考委員の選評です。

>はいっっ!ドラムロール、スタ~ト!!!!
>ドロドロドロドロドロ~~~~~~
>ジャン!!!
>原田 マハ「暗幕のゲルニカ」(新潮社)
>で~す!!!


はい、残念、また外しましたー!!!!!
過去最大の(根拠のない)自信を持ってあもる一人直木賞を受賞したこの作品!
それが見事に外れた。

宇野の落球(頭ゴーン)に、マウンドに帽子を叩き付けた星野の気持ちがよくわかる〜。
これからは直木賞選考委員の出したヘボい結果を宇野ってると言っちゃうぞ。

シュッとした上品なスーツで受賞会見に臨む原田マハさんの姿まで想像してたのにな〜。
(イメージはイギリス首相のメイ首相。)

どうせ、コンプレックスまみれの林のオバハンが、
原田マハさんの美貌と知性とユニークさ等々、その全てに嫉妬したに違いないんだーーー!!
←完全に被害妄想。


「受賞理由は、やはり圧倒的な読み心地のよさと、心に残る短編集だった。」
「収録されたのはすべて単発の短編でしたが、一つ一つ心に残りました。」

はあ・・そうなんだ〜。
私はこう述べた。

>短編6作品、どれもこれも全く悪くはないし、むしろどの短編からも、
>ベテラン的な貫禄すら感じられるのだが、全く響かなかった。

宮部さんの心には残ったんだ〜。
でも私には響かなかったんだ〜。
宮部さんとは仲良くなれなさそう。宮部さんの作品は好きなのに。


「もちろん荻原さんはベテランですので、非常に高い確度でいいお仕事をなさってきていますから、そのキャリアの中では「これぐらいの作品集はおかきになれるだろう」という評価もあったんですけれども、ベテランの熟練の技に私たちが大変心を打たれたという意味でも、(荻原さんの作品は)高い点数を集めました。」


>短編6作品、どれもこれも全く悪くはないんだけどさ。
>むしろどの作品からも、もはやベテラン的な貫禄すら感じられるんだけどさ。

ベテランの魅せる熟練の技については、私も本物の選考委員も太鼓判。
ということだけは共通している。

どうでもいいけど年下が年上の作家について評価するって難しいんだろうな〜。
と感じてしまうほど、宮部さんのご丁寧な言い回し。


「最初の投票の段階から非常に支持が集まった作品でした。」

え!!!!!マジで!?!?!?!?!?


>おそらく揉めることなく、満票でこの「暗幕のゲルニカ」の授賞が決定するはずだ。
>いつもの、2作品での一騎打ち、という状態は生まれないと思われる。

いきなり大三振の私。
しかし一騎打ちにはならなかった、というところは皮肉にも当たっている。
作品違うけど。


>そしてそこに至るまでの経緯として、まずは
>▽湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」
>が落選、そして酷評される。
>次に
>▽伊東 潤「天下人の茶」
>▽荻原 浩「海の見える理髪店」
>が落ちて(特に荻原さんには厳しい批評が誰からか寄せられるはず。)・・・

全然違う!!!
しかも・・・

>特に荻原さんには厳しい批評が誰からか寄せられるはず。

おっかしいなああああああああああ!!!!!
ほんと何度もいいますが、荻原さんは私の長年の推しメンで、
いつか必ず受賞する作家、受賞すべき作家だと思っていたのだ。
(魔のあもる推しのノロイにかかって遅くなりましたけども!)

誰も厳しいこと言わなかった?
浅田次郎のオジチャンあたり、言わなかった?
おっかしいなああああああ。

しかし改めて自分の荻原さんに対する講評を読んでいると、失礼きわまりない・・。
好きだからこそ、つい、厳しくなっちゃったの!!!
それもこれも愛すればこそ。うん。


「各委員、9人で議論をしますと「どの短編が一番良かったか」というところで、意見が分かれるんですよ。これもまた面白かったです。」

源氏物語の女性の好み論か!!
私はやっぱり紫の上〜。とか?

ちなみに私が好きな短編は、最初の(表題でもある)「海の見える理髪店」であった。
6編ともあのレベルだったら、もう少し上位に入ったと思う。
でもやはり原田マハのインパクトにはかなわなかったと思う(私の中で)。

それもこれも全てこれが原因だと思う。

>改めて推しメンである荻原浩さんの過去の作品を思いだすに、
>私、荻原浩さんの家族小説が好きじゃないんだな〜。ということに思い至った。

荻原さんの家族小説が好きじゃない。
要は好みで選んだ当然の結果だったということであります。
ああ、納得。
私、好みで選ぶとたいてい外すんだ〜。・・・遠い目。


「次に、最後まで次点でして、(「海の見える理髪店」とこの)2作以上ということもないか-というところまできましたのが(門井慶喜氏の)「家康、江戸を建てる」(祥伝社)でした。」

キター!!!
2位は当たってる!!!
1位は外すが2位は当てるという、逆に難しそうなことをやってみたよ!


>2位じゃダメなんですか?←蓮舫か!!
>とか聞かれると、上記でも書いたが正直どれが2位でもいいかな、と・・・(略)

全然違う場面で発してる言葉が偶然ここでリンクするこの奇跡。

2位(だけは当たってるけど)ダメなんですか?


「(門井さんは)博覧強記の方ですし、調べものも上手です。」

調べものも上手って学生の宿題か!!


「もっとも素晴らしいのは、博覧強記のご自身がよく調べたものを、まったく(調べた内容を)知らない人にかみくだいて伝えるスキルが大変高い。(「家康、江戸を建てる」は)すごい情報量の多い作品なんですが、すいすいと読める作品だということです。(読むのに)かなり負荷があるのですが、すいすいと読めるんです。」

「すいすい」という言葉がやたら心に残る・・。

私も同じことを書いている。

>徳川家康が考え尽くして江戸の街を作ったように、
>門井さんも考え尽くしてこの作品を作っている。
>あらゆる場面で、現在残っている「事実」という細い柱に、装飾をくわえているが、
>あまりの装飾の重さに、その「事実」という柱が倒れることがないよう計算されている。
>あえての軽さ、それは見事な軽さである。
>作品に大胆に開けられた空間からは、江戸の街に広がる青い空が見えるようであった。

私も要するに「すいすい」読めるってことが言いたいのです。


「「今回の候補作の中で一番面白かった」という声があった」

どなたの声かはわからねども、その気持ちはよくわかる。

>(前回の)あもちゃんの不評を気にすることなく、見事門井さんがやってくれました!
>心底おもしろかったです。

ここまでは本当にそのとおりや、やんややんや。であった。
がーーーー。
次の台詞は同意しかねる。というか、
私が門井さんだったら、高評価を与えてくれたにも関わらずキレそう。
(引用長いです。)

「次点止まりで受賞とならなかったのは、これは小説なのだろうかという議論になったからです。家康が小説の中の想像の人物として立ち上がってくることがありませんでした。家康は『プロジェクトX』に出演している本人だが、むしろ門井さんの記録者、ルポライター、解説者としての声の方が私たちの耳にはよく聞こえた。」
「これは個人的な意見ですが、この作品は、「家康、江戸を建てる」という、歴史(小説)よりも解説本として書いてくだされば、門井さんほどの文章力と、説明力、解説力ならば、とても多くの人が小説ではなくても楽しんで読んだだろうなと。(選考会では)そこのところはもったいなかったなあという議論になって、最終的に私のような「小説ではないのではないのかしら」という意見が勝ちまして、次点止まりという風になってしまいました。」

はっきり言おう。この門井さんの作品は紛れもなく「小説」です。しかも確実に面白い。
(10歩譲って「歴史小説」ではないかも、だが、小説であることには間違いない。)

なんで歴史の解説本としてこの本を読まねばならんのじゃ。
その途端、急に色あせるではないか。
小説だからこそ、あの輝きとあのスピード感とあの江戸の青空を楽しめるのではないか。

>前回のときもそうだったが、門井さんは歴史を歴史として見ていない。
>あくまでも「読み物」として捉え、独特の世界を造り上げており、その力は充分である。
>今回は2位になってしまったが、もっとおもしろい作品を書いてくれると信じている。

この作品は「読み物」としてすばらしい、と前々から述べている私。
今でもその評価は変わらない。

小説ではないのではないのかしら
なんてどの口が言っとるんじゃー。あ、宮部さんでしたか。
表現がそもそも回りくどい!!
ないのではないのかしら・・
私の中で流行語にならないこともないのではないのかしら。


「ただ、直木賞(受賞作)が非常によくできた、よく練れた、技術的に点数の高い作品が多い中で、こういうアイデアと実験精神のある作品が受賞することにこそ、今、意義があるのではないか、われわれもそういう決断をすべきではないのか、という議論にまでいったほど、「家康、江戸を建てる」は支持を集めた作品です。今回は本当にギリギリのところで申し訳ないことになったのですが、多くの期待を集めていたということも申し添えたいと思います。」

期待を集めていた、というステキな言葉があっても、なんかズレてるんだよな〜。
アイデアや実験精神についてもそのこと自体は間違ってないし、そのとおりなんだけども、
そうは言っても、あなたがたはこの作品を小説ではないって思ってるんでしょう?
小説愛が私とは根本から違ってるんだわ!ふんがふんが。


荻原さんと門井さんの選評に大きく文字数が使われ、あとの作品はざっとだけ触れられた。
選考会の様子がイマイチわからないのだが、
文面から察するに、どうもこの2作品以外は早い段階で落ちたと思われる。

えーーーーー!!!!!
マハは?
私の自信作(私が書いたわけじゃないけども!)は?


「まず、湊かなえさんの「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(光文社)は」

まず、という言い回しから、まず最初に落ちたと思われる。そう思いたいの!!!
なぜなら・・・

>まずは
>▽湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」
>が落選、そして酷評される。

と私が言ってるからでーす!

「湊さんはもっと大きなものを書く人ではないのか?という意見が多かったです。胸にしたたってくるようなすごみのあるものをお書きになれる、と。こういう母子の暗部を描く悲劇とか、表に出すことのできない怒りとか、憎しみとか、そういうものをアレンジしたものならば、特に今回、この作品で湊さんに取ってほしいというだけの支持を集めることができなかったと申し上げるのが適切ではないかと思います。これが足りない、あそこが足らないという議論ではありませんでした。期待値が大きいという意味だと思います。」

ものすごーく期待されてるように書かれているが、そう聞こえてこないこの不思議。
あ、私の耳が悪いだけのようです。


>今はやりの「毒親」や「母と娘」を扱った短編などがあり、
>その題材にふさわしく、息が出来ないほどの密な文章で攻めてほしかったところ・・略

選評では作品の内容についてはあまり詳しく触れられていないが、
私も同じくすごみのある文体でその世界を書いてほしかったし、
この作品で受賞してほしいというだけの支持がない、というところには完全に同意である。


「同じ期待値が大きいという意味では、「天下人の茶」(文芸春秋)の伊東潤さんです。今回、5回目ですしね。これまで歴史上知られていなかった敗者の生き方を書いてこられた方が、今度は二大有名人である豊臣秀吉と千利休を描きました。どんなすごい狙いがあるんだろう、どんなすごい利休像が出てくるんだろうと思いましたが、どんな新しい秀吉像になるんだろうと思ったら、そんなに…というところで。期待値が高かっただけに、ちょっと物足りなかったという議論になってしまいました。」

ほんと残念だったよねー。
私も伊東さんが有名人を描く、と知った時には心躍ったもの。

>前回は信長で、今回はきっと利休か秀吉か。
>あまりに有名で皆が避けそうな鉄板ネタにあえて踏み込むそのスタイル、嫌いじゃない!!

それがまあふたを開けてみれば、なんと物足りなかったことか。。。
選考委員の方々の感想とほぼ同じである。

>そりゃー読ませる上手さは相変わらずだったと思う。
>が、なんか伊東さんってこんな小説書く人だったっけ?
>と、今作品において私の中でポイントがかなり下がってしまった。
>次回は推しメンから外れるかもしれん・・。

期待が大きく外れてしまった喪失感でいっぱいの私の当日のご様子である。


「米澤穂信さんの「真実の10メートル手前」(東京創元社)ですが、これは短編集です。女性ジャーナリストが活躍する。彼女の視点ばかりではなく、彼女が主になって問題を解決していくという非常に正攻法のオーソドックスな作品。私は個人的には好きな短編集ですが、この女性ジャーナリストは別の小説に登場する主要登場人物でもありまして、この短編集だけを切り取って評価しようとするのはとても難しい。謎解きを徹底するために、普通の人間の心理では無理ではないかと思うようなところもある。そういう点がマイナスに傾きました。」

えー。
この作品だけで評価するためにこの作品が選ばれたのでは?
この短編集だけを切り取って評価しちゃいましょうよ!
(ちなみに私の中では3位)

だいたい荻原さんがそうだとはいいませんけどね、
過去の受賞作品もまあまあよかったし、ここで合わせ技一本で受賞とかもヤメレ。

文学にさほど興味のない人でこれから本を読もうかな、何を読んだらいいかな、というときに、
参考になるのが◎◎賞受賞、なのである。
過去の私もそうだった。
それが過去の作品と照らし合わせてみるに〜、とかで受賞したり受賞を逃したりすると
なんかおもしろくなかったな、よくわかんなかったな、私、読書に向いてないのかな。
となって、読者が離れて行っちゃうんだから!
はあはあ、あもちゃん、壮年の主張!!

というわけで、私の評価を引用しておこう。

>米澤さんには独特の世界観を描く力がある。
>それが直木賞向き(というか直木賞選考委員向き)かどうかはアヤシイが、
>今後もどんどんその腕を磨いていってほしい!

直木賞がなんぼのもんじゃ!
選考委員にごちゃごちゃ言われながらもがんばってほしい。
私はこの人の作品(というか日本語)が好きなんじゃ。


さ〜て、お待たせしました。
今回の問題作、じゃなかった、今回の問題選考結果の登場です。

「原田マハさんの「暗幕のゲルニカ」(新潮社)ですが、今年の上半期の一番の話題作であることは間違いないと思います。ただ『ゲルニカ』という怪物的なアートが反戦のアートということだけで解釈できるのかということでした。この作品自体ももっと大きな可能性があったのに、小さいところに落ち着いてしまったのではないだろうか。アクション小説みたいになったこともこの作品にそぐわなかったのではないかということです。そういう意見がありました。」

短かっっっっっっ!!!!!
うそーん、たったこれだけ!?
私があれだけ熱く、なぜこの作品が受賞(あもる一人直木賞)したのかを語ったのに、
本物の選考会ではたったのこれだけ。ヨヨヨ。泣ける。

というか、私が人知れず恐怖したのが、
元キュレ−ター(MoMAでも勤務経験あり)の原田マハさんに対してのこの発言。

「『ゲルニカ』という怪物的なアートが反戦のアートということだけで解釈できるのかということでした」

ザ・釈迦に説法!!
ぎょぎょー!これは恥ずかしい!
穴があったら入りたいレベル。

そもそも、原田さんはこのタイミングを狙って「反戦アート」に絞って書いてるんだっつーの。
きっと選考委員のほとんどは本物のゲルニカを見たことないんだろうな〜。
私は2度見たもんね!!!!
だからどうした、ですが。

「今年の上半期の一番の話題作であることは間違いないと思います」

そうなんだよ。間違いなく話題作となる。
そこまで言ってるなら、なぜこの作品を受賞させなかったんだー!
この作品は今年のこの時期に受賞させるからこそ意味があるのに。
きっと出版界も大いに盛り上がったと思うんだな〜。
野菜や魚に旬があるように、小説にも旬がある。
もちろんこの作品は来年読んでもおもしろいのだが、
今だからこそ色々な読み方ができて、楽しめる作品だと思うのだ。

といくら熱弁をふるえども、受賞できなかったのは事実。
スペイン愛とマハ愛が私の判断を誤らせたのだとしたら、それも本望。
愛すればこそ。

ただ唯一、選考委員の言うことで納得した箇所が一カ所。

「アクション小説みたいになったこともこの作品にそぐわなかったのではないかということです。」

私もあの突然の展開にはビビったもんね。

>そりゃー文句をあえて言おうと思ったら言えなくもない部分はあるんですよ。
>瑤子が拉致されちゃうとことかさ。
>まさかの展開に瑤子もビックリしただろうが、私もビックリした。
>選考委員が何か言うとしたら、きっとここであろう。

やっぱり思ったとおり、選考委員はここに触れてきた。
しかしもう一つここにも触れてほしかった・・

>そして何よりもこの作品が今、という時期に直木賞を受賞する意味がある。
>(と選考委員は言うだろうし、私もそう思う。)

受賞はともかく、この作品の意義についてぜひ語ってほしかったところ。
ピカソの時代の風景と今の風景、全く時代が違うのに重なる部分が多いこの不穏な空気。
それについて一言でもいいから述べてくれるとよかったんだけどな〜。
ま、繊細な事情もあるのだろうから、とは思うが、
そこは作家という立場でもあるわけで、言えないわけではないではないのかしら。

しかし一つなるほど〜と思ったことが。
後輩ともともにこの作品をあげた(=読め、と押し付けた)のだが、
「まだ途中までしか読んでないですけど、ダ・ヴィンチコードみたいで面白い〜」
との感想が届いた。

あれと一緒にすなや。
いやいや、あれはあれで面白かったのだが、
そっかーそういう読み方もあるのか。そういう読まれ方をしたら確かに直木賞はないかも・・
と妙に納得した。

ちなみに後輩ともとも、このマハの作品を読み始めるとすぐ寝ちゃうそうで、
まったく捗っていないということである。
お前はそれでも私と同じ文学部か!!

そして最後に・・・

「今回は人気作家ばかりの候補作が集まりまして、(選考が)終わった後、今回、どうしようかと思って…。どなたの作品、どなたの名前が受賞作になってもおかしくはないので、この中から1つ選んでいくということが、大変困難でした。ですから、先に受賞見送りになった作品も、まったく支持がないわけではありませんでした。皆さんはもう読者もしっかりいて、自分の道を歩んでいる。そんな作家の作品を評価していくうえで、何を物差しにしたらいいのかということを、私たちも吟味しながら悩みました。」

もう直木賞なんてやめたらいいんじゃないかしら。
今回ほど直木賞ってなんなんだろう?って思った回はなかった。
旬を逃しちゃうような選考会にいかほどの意味があるのか。
文学界が再び盛り上がるチャンスだったかもしれないのに!

又吉の「火花」を受賞させた芥川賞選考委員のほうがより柔軟かもしれない。
(火花は読んでないけどさ。それなりの技術があったのなら受賞させて正解。)
きっと村上春樹を受賞させなかった(しかも2度も)イタイ過去があるからだろうなあ。
これは本当にイタイ。
好き嫌いはともかくとして、さっさととらせるべきだったのだ。
この先、あのジャガイモが万が一ノーベル賞でもとった日にゃ、
芥川賞選考委員のフシアナが再び世にさらされる〜。

本当に何度も言うが荻原さんはよい作家です。受賞そのものに異論はない。
しかしイマジャナイ感がこの作品にはあったんだなあ。
この作品でとらせるならもっと前に受賞させてやれ。
直木賞選考委員のフシアナが私の心に突き刺さる〜。

そんな傷だらけの私にひとすじの光が。

【直木賞会見】
作家デビュー20年で受賞 「海の見える理髪店」の荻原浩さん「肩の荷がおりたような」


すごーく穏やかな会見の受け答えで(文面からのみ判断)、しかもちょっとおもしろくて、
マハさんが受賞できなかったのは寂しいことだけど、荻原さんが受賞できてよかったな、と
心から思えるものであった。

私もすご〜く寂しかったが、きっと受賞できなかったマハさんはもっと寂しかったであろう。
本物の直木賞はあげられなかったけど、私の直木賞を堂々と差し上げたいと思う。

でもマハさん、あまり気にしてなさそう笑
それでは私も気にせず頑張りますか。よっこらしょ。

反省はすれども謝罪はしない!
権力のしがみつくジジイのようにけしてあやまりはいたしません!!!
今、しっかりと資料を精査中であります。
引き続き第三者の厳しい目で見守り続けてください!
ふっ・・ふるい!旬を少しでも逃すとこんなに意味のない言葉となってダダ滑るのだ。
私のせいではない。


そんなわけで、また半年後の雪降る時期にお会いしましょう!!
さよーならー。