皆様、こんばんみ。→懐かしい。

毎度毎度、ゴールポストまでの距離感がつかめず、
どうせやる気になれば数冊なんて一気に読めちゃうし~、と油断しまくり、
ノロノロやっていきなり目の前にゴールポストが現れて焦りまくる、
ということを何度も繰り返す、サッカーセンスゼロのあもちゃんです。

こりゃ、まいりましたな。
両親が三連休にやってきてこき使われたり、
肉を食らったり酒をかっくらったり、
40秒で支度したり、姫に仕える巨人兵に泣いたり、
そんなことしているうちに、あと数日で発表ですぞ。

ヤバす。
バルス。
似てる。

しかしこんなところで滅んでる場合ではない。
こんなに遅れているのにはワケがあるのです。

それがさーーー!!!
どの作品もいいの!!
そういうの、困るんだなああああああ~~~~~。→嬉々。
あもちゃん、嬉しい悲鳴。

当初、私は最初に読んだ作品で決まりじゃね?
と思ったのだ。
→参考記事『あもる一人直木賞(第154回)選考会ースタートー

「しかしこれが大きな過ちで、いきなり予想外の事態が起こった。
 すでにその1作品を読み終えたのだが、これがいきなりドンピシャ私にハマりまして、
 なんというかこれが獲っちゃうんじゃないの~?と思っているのであります。」

そんな気持ちで2冊目を読んだらさー。
これもいいのだ。
そして・・・延々続く。

私「・・・どれが一番かなんて決められないよー!わーん!!」

本妻と不倫相手の間で迷走しまくりのゲス野郎よろしく迷走する私を見ながら
汗かき夫が一言。

汗「あもちゃんがこれはない、っていう作品が直木賞を獲るよ!!!」

あいつ、ゆるさん。
バルス!!バルスバルス!!!

滅びの言葉を唱えまくりあもちゃんの一人直木賞選考会、途中経過です。

今のところ・・・

1位 青山文平「つまをめとらば」(文芸春秋)
2位 柚月裕子「孤狼(ころう)の血」(KADOKAWA)

3位 
4位 
5位 


である。

最初に読んだのが、青山文平さんの「つまをめとらば」であった。
前回ノミネートの「鬼はもとより」よりも格段にうまくなっていて、
しかも短編というハンデをもろともせず飄々と世界を描き、
いやむしろ短編であることを充分に活かして細かく描くべきところは描き、
だからといって小さくまとまることなくぐっと読ませてくれたし、
とにかく欠点が見当たらなかった。
「女」という生き物を妖しくも美しく、畏れをもって描いていた。
それは一種の畏敬とも言えるほど。
6篇が収録されており、表題の「つまをめとらば」はイマイチであったが、
それ以外は全て私の好みドンピシャ。
素朴な描きっぷりに心を撃ち抜かれた。

上でも書いたが、
あ~、これで決まりかな。
と思ったのであった。

そして柚月裕子さんの「孤狼の血」である。
(この人もゆずきさん。因縁のゆずあさ(柚木麻子)と同じ苗字。漢字は違うけど。)

この作品の帯に、
私の愛する黒ちゃん(黒川博行氏)の推薦文が書かれていた時点で嫌な予感はしたのだ。

「緻密な構成、卓抜したリアリティ、予期せぬ結末。
 いやあ、おもしろい。正当派ハードボイルドに圧倒された。」

と。

ほんとにおもしろかった・・・。
私を悩ます程に。
しかもさ、広島が舞台なの。
懐かしい広島弁がポンポン飛び出すもんじゃけえ、私もなつかしゅうなってなあ。
しかもしかも、地名は1文字変えたりしているが、ピンとくる地名ばかりでなあ。
呉とか福山とか出てきて、ぼっけえ懐かしかったわ。
マル暴刑事と極道の会話だが・・。

そんな生き生きとしたリズムで物騒な会話がやり取りされるもんだから、
脳内では菅原文太的な人が暴れ回っておりました。
本当に飛び出してくるんじゃないかというほどのリアリティ。

この先どうなるんだろう!とドキドキしながら頁を繰った。
上手に頁も割っていて、ページを開くと新たな展開が広がる、というドキドキ感。

物語そのものも面白いのだが、構成もおもしろい。
章ごとに最初に日誌的な形でその章内で起こる事件の概要が箇条書きで読者に知らされる。
しかしそこには何故か墨で消された部分などもある。
章で起こる事件があらかじめ知らされているのに、やっぱりドキドキしながら読むのだ。
ちょっとコロンボ的な構成に近いとも言える。
登場人物も皆個性的で愛すべき人たちばかりであった。

こういうミステリーは、この先どうなるの?と読んでいくべきところだが、
普段はニブチンあもちゃんだが、こういうときの勘は鋭い。
墨で消された日誌、スパイ的な存在、あれやこれや散らされるヒント・・・。
きっと彼はああで、きっとあんな感じで、この男凶暴につき、みたいになるのかな~
と思ったらそのとおりになった・・・

帯で黒ちゃんの言ってた
「予期せぬ結末」
にはならなかったが(だって鋭いあもちゃん、かなり早い段階で先が読めてたんだもん)、
それでも充分に楽しめた。
なによりこの作品を女性が書いているという事実に私は衝撃を受けた。
この暴力的な世界と荒々しい世界をよくぞ描いた!と拍手喝采を送りたい。

しかしこれだけ賛辞を贈っておきながら申し訳ない、本当に僅差で2位。
これが別の回のノミネートだったら・・と思うと本当に惜しい。
でもやっぱり青山さんの方がよかったの。
柚月さんの物語の展開が早い段階でわかっちゃったからではない。
青山さんの作品がよりよかっただけ。

どちらもとてもよかった。
どちらもオススメできる作品だった。
ただ分かれ道は、好みという問題だけ。
なにせうちの汗かき夫は、黒ちゃんよりこの作品の方が面白かった、というほど。
(しかしそれはない!と私は断言しますが。黒ちゃんの「破門」は破格の面白さ。)

作品ごとの詳細については最後の発表時にまとめたいと思う。
なぜならば、この後もおもしろい作品が続くからだ・・・。

あと数日、悩ましい日が続く。
あ~~~どうしよう~~~~。