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そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/アガサ クリスティー


残った2人が向かい合う、あの狂気。

今もふるえが止まらない。


(あらすじ)

イギリス、デヴォン州のインディアン島に、年齢も職業も異なる10人の男女が招かれた。

しかし、招待状の差出人でこの島の主でもあるU・N・オーエンは、姿を現さないままだった。

やがてその招待状は虚偽のものであることがわかったが、

迎えの船が来なくなったため10人は島から出ることができなくなり、完全な孤立状態となってしまう。

そしてそんな中、生意気な青年が毒薬により、さらに翌朝には召使の夫人が原因不明で死んでしまう。

残された者は、それが童謡『10人のインディアン』を連想させる死に方であることに気づき、

さらにその場に10個あったインディアン人形が8個に減っていることにも気づく。

孤立した小さな島、その島で起こる殺人。犯人は島に残された者の中の誰かなのだ、と皆が確信する。



歌に合わせた殺人、

その殺人に呼応するかのごとく消えていくインディアン人形、

そしてまた減っていく招待客。

でも迎えの船は来ない・・・



私がこの中の10人だったら、真っ先に殺されるかも・・・(とろくさいから)。

などと、自分がまるでこの10人の招待客かのような錯覚を覚えてしまうサスペンス。


お恥ずかしながら、アガサクリスティを読んだのが今回が初めての私。

名作と呼ばれるにはちゃんと理由があるんだなあ、とあらためて納得。


だんだん人数が確実に減っていき(着実に殺されていく)、

最後に残された二人のシーンが狂気じみていて秀逸。


「自分は犯人じゃないのだから、犯人はおまえなんだろ。」


とお互いが思っている。

信じていたのに。

お互いがお互いを、あなただけは違う、と信じていた。


ひー!近づかないで!

殺される!


ううーん、いい!この狂気の描き方がクールでいい。


私なら、狂う。

もしくは狂った挙げ句、自分が殺されるくらいなら、こっちが・・・くらい思うかも。


そしてタイトルどおり、最後、誰もいなくなるのだが

私は


「えーーー!じゃあ誰が犯人なのよー!」


と消化不良の感が否めなかった。

 ↑作者アガサの思うつぼ。いい読者だなあ、私。

   ミステリ初心者なもんで、イチイチひっかかるの、私。



(この後、ちょっとだけネタバレ)


全員が死んでしまった。・・・

この後、この島に上陸した警察の調査によりおそるべき事実が発覚する。


最後に生き残ったヴェラも最後自殺をしていたのだが、

首をくくる際に使用したいすが片付けられていたのだった」。

島には誰もいなかったはずなのに、一体だれが・・・?


私「誰かが生き残っていたってことー?一体誰がーー?」


とハァハァしちゃった。

ミステリ初心者なもんで・・・イチイチ仕掛けに驚く。


その後、海に投げられた1通の告白文で事件の真相が明らかになるのであった。



あえて私が難癖をつけるなら、この告白文。


丁寧すぎる!

そこまで説明してくれなくてもいいって!

ちょっと不思議感を残したくらいの告白でかまわないんだけどなあ・・・


と思った。


こういう形式のミステリは、この「そして誰もいなくなった」が初めてらしい。

いやーこのネタを思いついたアガサは早く書き上げたくて仕方なかったに違いない。


2時間ドラマの女王(視聴者として)の私から見れば

今となっては、使い古された感のある、

童謡に合わせた殺人やみんながいなくなるストーリー。

それでも別の角度(狂気とか)から読んでも面白かった。


アガサクリスティはもう1作読む予定(図書館に予約中)。

きっとまた私を楽しませてくれるに違いない。