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どこから行っても遠い町/川上 弘美


私、やっぱり、オムニバス形式がずるいって思う。


あらすじを少々(ネタバレなし)。


ある町に住む、通う、訪れる普通の人たちがそれぞれ普通に生きている。

そんな人たちの生活を切り取ったお話が、少しずつ時間を進めながら書かれている。



1章1章進むごとに、少しだけ時間が進んでいるので

前章で書かれていた人がどうなったかが次の章やもっと先の章で分かるようになっている。

その辺がうまく書かれている。

最後の章で巻き戻るところが解決篇という感じでいいが、少し安直?

ただそのおかげでとっても読みやすくなっている。


川上弘美の書く作品は、

幻想小説型と現実小説型に分かれるが、これは現実小説型である。

相変わらずのホワンとしたやわらかいタッチの小説である。


ただー。

どうしても私はオムニバスって、どうも苦手。距離を置きがち。

小説という平面上で表現すべき奥行きを、

オムニバスという「手法」で出そうとしている気がしてずるいー、と思ってしまう。

(とはいえ、いいものはいいと思うけど。萩原浩の「千年樹」はよかった。)



この人と結婚していたらうまくいっていたかもしれない、と思うのは、

その相手と結婚してないからだよ。

というのが心ひかれた。


もしあのとき・・・


という妄想や想像は人を幸せにするし、

その想像の先にあるのはだいたい幸せな結末である。

現実でないからこそ、すてきな妄想をするものだ。



とかなんとか言いながら、

昔つきあっていた人と結婚していたら

スピードワゴンもびっくりのスピードですぐ離婚してただろうなあ、

と断言できる私って、すごく冷静で頭脳明晰(?)なんじゃなかろうか。