平成20年11月4日(月・祝),
「チャイコフスキー・フェスティバル テミルカーノフ70歳記念 」(サントリーホール)へ行く。
風邪でヘロヘロな体にムチ打って,這う思いで行ってきた。
11月1日の土曜日も演劇鑑賞の予定があったのに,
あまりの風邪のひどさに行けず,せめてこのコンサートだけでも!!!!という
怨念のみでおのれを奮い立たせていた。
しかもー。
もともとこのコンサートのチケットを買ったのは,
1.夫が「チャイコフスキー好き」であること,
2.夫が好きなチャイ5(チャイコフスキー交響曲第5番)を生で聴かせてあげたい
という,いわば夫のためのコンサートであった。
なのに-。
夫,私の風邪が1000%うつってしまい,とてもじゃないがコンサートどころじゃない。
おいおい,チケットどうするよ・・・。
C席だけど,一人8000円だぞ・・・。
もったいないー!
あ!うーちゃん(妹)誘ってみよ-!っと。
妹「三連休の最終日くらい,ゆっくり家で過ごしたい。」
と,ばばくさい台詞を吐かれ,結局一人で行くことに。
夫が行けなかったチケット・・・。
あ~あ~。
どうするかねえ。
と思いつつ,サントリーホールの当日券売り場でウロウロしていると,
安い当日券がなくて(S席しかなかった。2万!)困っていたおじちゃんを発見。
勇気をもって声をかけたら買い取ってくれた。←サントリーホールの許可はもらってます。
いやーよかったよかった。
私もよかったけど,おじちゃんも本当によろこんでくれた。
お役に立ててよかったデス。
ま,それはいいのですが,
会場に入ったら,当然のことながら,そのおじちゃんと隣り合わせ。
なんだか,気まずい空気。
世間話なんぞして演奏が始まるのを待つ。
演目は・・
・チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 op.23」(ピアノ:デニス・マツーエフ)
・チャイコフスキー「交響曲第5番 ホ短調 op.64」
チャイコフスキーのピアノ協奏曲ってものすごく有名なのだが,
私,実はあまりスキではない。
なんかあの大仰な感じに圧されて,どうもひいてしまう。
で,生で初めて聴いたのだが,やっぱり大げさな感じが拭えなかった。
ただ,あの田舎くさいオーケストラの演奏と,
がんばってるデニスさんのピアノの音に好感がもてたのは事実。
サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団って,
伝統ある古い交響楽団なのだが,なんというか,親しみのもてる音を出すんだなあ。
いやはや,収穫のあるコンサートである。
そしてかわいらしいのが,指揮者のテミルカーノフさん。
お風邪を召していたのか,
ピアノのカデンツァ部分(ピアノ独奏部)で,こっそり鼻をかんでました。チーン!
(今日調べたら,午前中にも公演が予定されていたのだが,中止になったようだ。
風邪,ひどかったのかなあ・・・心配。)
楽しそうに指揮棒振っていて,こちらもとても好感。
おじいちゃん,がんばって!!
そして後半。
交響曲第五番が始まる。
なんだ,この音。
さっきまでの,ピアノ協奏曲の音と全然違う。
心のこめ方が違う,というか。
親しみ深い音は変わらず,なのだが,熱い音がするのだ。
すばらしい演奏にドキドキする私。
私たち観客が演奏者と一体となって,チャイコフスキーを味わっていた。
とくに私たちの席を含む,あまりよくない席の観客たちが,
前のめりで聞き惚れていた感じ。
最終楽章のフィナーレに近づくにつれ,
「なんで夫がこの場にいないんだろう。」
「なんでこの演奏を日本人は聞き逃しちゃったのだろう。」
「なんで」
「なんで」
と,ひたすら天井に向かって問いかけていた私。
滝のように流れる鼻水。
あふれる涙。
風邪のせいなんだか,感動のせいなんだか,もう何がなんだか。
体の水分が全て流れ落ちた。
そして演奏が終わったとたん,ブラボーの嵐!
私のチケットを買い取ってくれたおじちゃんと,感動をわかちあった私。
そして帰宅後。
また熱があがりましたとさ。
(メモ)
アンコール曲
・グリーグ「ペールギュント」から「山の王の宮殿で」
・エルガー「愛の挨拶」
・チャイコフスキー「くるみ割り人形」から「トレパック」