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パリ左岸のピアノ工房 (新潮クレスト・ブックス)/T.E. カーハート



新潮クレスト・ブックスが最近頑張っていると思う、今日この頃。


内容はともかく(?)、表紙!

表紙がステキで、持ち歩いていてもかっこいいのだ。

洋書過ぎず、おしゃれすぎず、本好きが読む本、という感じ。



さて、この作品について。


あらすじは、フランスのとある路地に小さな工房(アトリエ)を構える若い職人リュック。

彼は魔法のように、古いピアノをよみがえらせる職人であった。

(調律もするが、主に修理専門。)

そのアトリエの前を偶然とおりかかった著者カーハート。

リュックとカーハートの豊かな交流や、

名器と呼ばれるピアノから思い出のピアノまで次々と修理されていくピアノたちの様子、

またカーハートの昔のピアノにまつわる思い出、

などが読者の心に水を注ぐがごとく、流れるように描かれていく。


そういうお話。

ノンフィクションだそうなので、ほぼ実話なのであろう。


この本を読むと、無性にピアノを弾きたくなる。

そして、もみじの手だった時代のピアノレッスンを思い出し、懐かしんだ。


この著者は、ハノンやピアノ発表会については悪夢のような思い出しかないようだが

(まあ、キモチはわかる。面白くない子には面白くないイベントだから)

私はわりといい思い出しかないので、

あれこれ大失敗した記憶や大成功した記憶をよみがえらせながら懐かしんだ。


あ、でもハノンはキライだった。

だが、今思う。

ハノンをもう少し熱心にしていれば、違ったピアノ人生があったのではないか?と。

だが、今思う。

ハノンをもう少し熱心にしていれば、きっと・・・ダメダメな人生だったのではないか?と。


※ハノンとは・・・ひたすら運指のレッスンをさせるものですてきなメロディは皆無。

          そりゃーつまらんもんなのです。子供には苦痛以外のなにものでもない。

          ツェルニーのほうが、まだ曲っぽくて楽しめる。



この本には、ベーゼンドルファーやらスタインウェイ、ベヒシュタイン、ヤマハなど

有名どころのピアノも出てくる一方、

エラールやプレイエルなどフランス製の繊細なピアノも登場。

(これらももちろん有名だが、一般的にはちょっと有名じゃないかも?)


そして一番の収穫は!

イタリア製の優秀なピアノ製造会社が登場する。

この会社、知らなかったなあ、私。

ここ20年で有名ピアノメーカーにのしあがってきたピアノ会社らしく、

「ファツィオーリ」

というメーカー。


音楽の原点はイタリアにある、といっても過言ではないのに、

イタリアからはなかなか優秀なピアノが生まれてこなかった。

が、とうとう出てきたのが、このファツィオーリ、なのである。らしい。


簡単に紹介されていたが、

このファツィオーリは、もともと「家具工場」を家族が経営していて、

ピアノを好きだったファツィオーリさん、工学部で数学や工学を学び、

ピアノ、作ってみたいなあ、と思い始めたのがきっかけだったとか。


家の人たちは家具作りのノウハウを惜しみなく伝授し、

全面的にバックアップしてくれたおかげで、

20年という短期間ですばらしいピアノを製造することに成功したメーカー。


1台1台手作りなため、スタンダードなピアノであっても、

1台1000万以上するらしい・・・

一生お目にかかることはできないであろう・・・。


うぬぬぬぬ。。。。



どうでもいいけど、私のピアノ。

半年前に調律したのに、もう狂ってきた。

10年くらい実家で放置されていたからであろう。

また調律をしなくちゃ・・・。


冬に聞くピアノの音色は美しい。

だからきちんと調律してあげないといけません。