koukami


言葉はいつも思いに足りない (単行本)
ドン・キホーテのピアス・9
鴻上 尚史

なぜシリーズ本の「9」から読んでいるかというと

図書館にこれしかなかったからだ。

1~8はどうしたのだろう?


さて。


ばかばかしくて、痛快なことを書いてあるのだと思ったら、

時事問題などを取り上げたりして、案外まじめな普通の本だった。

ちょっと肩すかし。


常にいろいろな方向にアンテナを向けているところは感心させられるも、

なんでもかんでもとりあえず結論にイラク戦争を持ってくるのはどうなのかなあ。

と思ったり、思ったり。

(多分この本が書かれたのが、イラク戦争が始まったころだと思われる。)


おもしろかったのは、

『「なに」と「何」は違うのです』という章。


著者の書いた原稿に校正さんが赤を入れていくのだが、

「用例の統一」という考え方に悩まされる著者。

たとえば

「何を言ってるんだ!」と書いたら、

次に「なにも言ってません」と書くと赤を入れられる。

要するに「何」と「なに」を統一させられる。

しかし、タイトルどおり、著者にとって「なに」と「何」は違うわけで。

この「用例の統一」は新聞社系の校正さんが特に厳しいらしいです。


あと映画の『マトリックス』観を述べていたが、私も同じことを考えていた。

それをああいう形で文字に、形に、表現できている著者は

頭のすっきりしている人である。


ほかにもいろいろとおもしろいことも書いてあったのだけれど、

なんだか心を素通りしていった感じだった。


心に残るものを書くのは、なぜにこのように難しいのだろうか。