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夫婦茶碗 (新潮文庫)/町田 康



なんでこんな作家を今まで見逃していたんだろう。

人生における負債だ,恥だ,後悔だ。



この本には,

標題の『夫婦茶碗』ともう一作『人間の屑』の

2編が収録されている。


どちらも好きだけど。

そうだなあ,『夫婦茶碗』のほうがばかばかしくて好き・・。

いや,『人間の屑』もエンディングがばかばかしすぎて最高。

甲乙つけがたいクズっぷり。


堕落した,人間生活の底辺をはいずりまわるようなヤツ,

そういわゆるクズ人間の様子を描いた作品が二つまとめてある。


坂口安吾の『堕落論』なんかより数千倍ステキ。

センスいいんだよなあ。

アンバランスの中に見られる微妙なバランス。

地上はるかに張られたロープを歩くような(サーカスのね),

そういう絶妙な作品。



私のお気に入りは,

『夫婦茶碗』の「卵を並べる」シーン。

普通に見たら,

ただの精神を病んでいる人,なのだが,

そこが上手に微妙さを描き出していて,堕落者,として描けている。

一ミリでもずれるとただの精神を病んでいる人。


バカバカしさ,怒髪天を衝く,そんな感じ。


さて。

解説は筒井康隆なのだが,

筒井先生,おもしろすぎる。


天才が奇才をほめると,ああいう感じになるのか。


おこぼれでも,おふるでも,おさがりでもいいので,

なんでもいいから二人の才能をわけてほしい。


↑プライドなんてあったもんじゃない(;´∀`)