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最相葉月監修の星新一の回顧録である。
写真が大変多く,わかりやすい本となっている。
「星新一 一〇〇一話をつくった人 」 より先に出た本である。
「星新一 一〇〇一話をつくった人」を読みこんで,
この「空想工房へようこそ(以下「空想工房」という。)」を読むとよりわかりやすい。
星新一がどういうメモを残していたのか,文字情報で読んで想像していたのだが,
写真付の「空想工房」を読むと,自分の想像を正しく修正することができる。
できれば,この「空想工房」を片手に,「星新一 一〇〇一話をつくった人」を読んだらいいと思う。
「空想工房」では,星新一の過ごした部屋や家がたくさん載っている。
私と夫が新婚当時住んでいた家と,星新一が品川に疎開する前に住んでいた家が
非常に近いことに驚く。
もっと早く知ってれば・・・・←何する気だ。
そしてこの本では,星新一の周囲にいた人たちから話を聞いている。
江坂遊(星新一が自分の後継者,と考えた人)の
星新一の謎解き,の中の「校正跡」の話がおもしろかった。
道行く風景のあちこちに,校正の箇所が見える話。
前を歩く男の人に,赤字で
「トル」
としたら,車に轢かれて死んじゃったんだけど,再び赤字で
「イキ」
と書いたら,息を吹き返した。
想像したら笑える。
私も今日から赤字で色々校正しちゃおうかしら。
あと,星新一の次女,星マリナさんの回顧録に吹き出した。
国語の教科書をパラパラとめくると,後半部分に父親のショートショートが載っていた。
そしてその後ろに
「作者は何を言いたかったのか答えなさい」
とある。
「先生に当てられて聞かれる前に,作者がうちにいるんだから先に聞いておこう」
と星新一に聞いたそうな。
はは,子供の考える小ずるいワザだ。
で,娘から「作者の気持ち」を質問された星新一は
「そういうことを聞くから,子供が本を読まなくなるんだ」
と,今の学校教育を怒ったそうだ。
作者である父,星新一からろくな回答を聞かせてもらえなかったマリナさんは,
「もし先生から聞かれたら,「そんなくだらないことを聞くな」と言ってました。と答えればいいのかしら?」
と困っちゃったらしい。←結局,星新一の作品は課題として学習しなかったらしいが。
星新一の言いたいこと,分かるぞ。
そんな作者の気持ちなんて,どうでもいいもんな。
実際,私も本を読むのに,そんなこと考えてない。
国語の試験(自分の作品)を受けた作家が,作者の気持ちを書いて0点だった,という
話を聞いたことがある。
そして,回答の解説を読んで,へ~なるほど~,と感心したらしい。
そして,星新一に欠かせない人,と言ったら,私にとっては,「和田誠」。
星新一の作品の挿絵を担当している人だが(真鍋博氏も担当しているが,私の記憶にナイ・・),
とにかく絵がかわいい。
和田誠の絵を見ると,あ,星新一,と思う(和田誠氏にとっては,いいやら悪いやら,だろうが。)。
本当に,かわいい絵を描くのだよ,彼は。
※夫が「和田誠って,レミパン(平野レミ)のダンナでしょ」とサラッと言うので,
は?と思い調べたら,本当だった。
私は,そのことになぜだかひどくショックを受けたよ・・。理由はないけど。