平成19年11月21日(水)、『 グレン・グールド27歳の記憶 』 を観に(聴きに?)行く。


これは以前、テレビかビデオで観たことがあるのだが、

やはり映画館の画面と音響で聞くのでは大違い。


改めて、グレン・グールドのバッハはいいなあ、と、思う。


2部構成になっており、前半は氏の私生活&インタビュー。

後半は、レコード録音の様子(曲目は、『イタリア協奏曲(バッハ)』)。


グレン・グールドが、このイタリア協奏曲を初めて弾いたのが13歳だそうで、

私が初めて弾いた年とほぼ同じ(私は14歳で初めて弾いた。)。

ま、それがなんだ、と言われればそれまでの話で、それはどうでもいい。


この曲を初めて弾いた時の感想が、私とグレン・グールドが同じだったことに笑った。


「あまり好きじゃない。」


でも、その後も同じ。


「3年ごとに、もっとうまく弾けやしないか、という熱が出てきて弾きたくなる。」


とな。


私も,時々楽譜を取りだしては弾き,もっと違う弾き方はできないかしら?と思ってはまた弾く,の

繰り返しだ。


私は,グレン・グールドはただの奇人変人天才だとずっと思っていたのだが(間違ってはいない。),

昨日のフィルムを見て,


なんてかわいらしいんだろう


と,愛しく思ってしまった。


イタリア協奏曲の第1楽章を弾き終え,ディレクターに


「今の良かったよね~?」


と聞いてるところなんて,ほんとかわいい。


ディレクターが


「悪くないよ。」


と答えると,


「悪くないって?」


と,子供みたいに,プックーっとなりながら聞き返しているグレン・グールド。


本当に,抱きしめたくなるほどかわいかった。


27歳のグレン・グールドの記録を初めて見たのが,多分22~3歳の時。

そのときはそんな感情すらなかったのに,

今は愛しく思えるなんて,やはり・・・加齢?


いやいや,人間としての器が大きくなったんだろう,私。


この記録の一番の収穫はやはり,イタリア協奏曲の生演奏が聞ける,というところである。

(グレン・グールドはコンサートから身を引き,録音に生涯を捧げた。)


足を組みながらのバッハ演奏は見物(みもの)である。


グレン・グールドは


「バッハを弾くのに,ペダルを使用するのは冒涜である。」


とまで言っており,

(私もこの意見に賛成。ペダルを踏むとどうしてもロマン的になってしまい,バロックの音がでない。)


ペダルから足を離し,足を組んで演奏する,という独特のスタイルを取っている。


※ちなみに,ペダルを踏まずしてのバッハ演奏はかなり難しい。私には。

  グレン・グールドの意見に賛成の私も,たまに踏む。

  それでもわりと踏んでない方だと思うんだけど。



つくづく思うのは,グレン・グールドにはよきスタッフがついていたんだな,ということ。

どんなに天才でも,周りの人間が悪かったり,単なるイエスマンだけだったりすると,

ここまで成功をなしえたかどうか不明。


よき人とよき環境に恵まれたからこそ,グレン・グールドという世界の至宝が誕生したのであろう。