
まど・みちお、って「・(ナカグロ)」が入るのね。
・・・というのは、ともかく。
阿久悠のときも思ったけど、あの詩もこの詩もこの人が・・・・という人が
まど・みちお。
まどさんの思い。
「簡単な言葉を使って、なるだけ短く言いたいっちゅう気持ちは変わらないでしょう。
長いと説明になりがちですし、説明だと10人読んでも10人がみんな
同じような感想を持ってしまいますから。」
俳句も同じ。
俳句の場合は、制限があるのだけれど。
制限された短い世界で、大きな世界を、一人一人の世界を
広げてくれる。
それが俳句であり、それが詩。
まどさんの「蚊」にまつわる詩を2つ紹介。
まどさんにかかると、
蚊さえ、美しい花火のように感じる。
「カ」
まど・みちお
ある ひとが
ふと あるひ
手にした ほんの
とある ページを ひらくと
ある ぎょうの
とある かつじを ひとつ
うえきばちに して
カよ
おまえは そこで
花に なって
さいている
そんな かすかな ところで
しんだ じぶんを
じぶんで とむらって・・・
「とおい ところ」
ゆがたの
ひさしの そらを みあげると
くものすに
カと ならんで
ほしが かかっている
ああ
ほしが
カと まぎれるほどの
こんなに とおい ところで
わたしたちは いきている
カや
クモや
その ほかの
かぞえきれないほどの
いきものたちと
いっしょに
「とおい ところ」の最後が
ちょっと説明的なところが気になるが
それを帳消しにするくらいの、
最初の段落のなんと美しいことよ。
言葉ってむずかしい。
だから詩を読むのも俳句を読むのもやめられない。
だから言葉について考えるのもやめられない。