平成19年5月14日(月),

ルドルフ・ブッフビンダーのコンサート (in東京オペラシティコンサートホール)に行ってきた。


私は,昔,

(周囲半径1mくらいの人たちから)「岡山のベートーベン弾き」と呼ばれてた,ということを思い出し,

「オール・ベートーベンプログラム」という曲目と,

「ウィーンが敬愛する現代屈指のベートーヴェン弾き」という賛辞に惹かれてチケットを購入した。


熱に浮かされながら,ヒーハーヒーハー言いながら行ってきた甲斐があり,

すばらしいコンサートだった。

まさに,現代屈指のベートーヴェン弾き,の名に恥じぬ演奏であった。



プログラムは,

ピアノソナタ第17番「テンペスト」,ピアノソナタ第18番,ピアノソナタ第3番,そして

ピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」

であった。


私はこの4曲のうち,第18番以外は弾いたことがあり,いずれも親しみのあり思い出深い曲であるが,

実は第3番だけ,かなり苦手であった記憶がある。

ガチっとしていて大変弾きづらいのである。

この第3番をどのように弾くのか大変楽しみであった。


この4曲の中で一番,第3番がすばらしかったように思う。

あの曲,こんなに壮大で広がりのある曲だったっけ?と不思議な感じすらした。

ブッフビンダー氏は,特に高音使いが大変お上手で,とても耳に心地よい。


テンペストの第1楽章,ワルトシュタインの第1楽章,力強くてすばらしかった。

ああ,残念だけど,ベートーヴェンのピアノ曲の9割は男のモノだ,と思う。

ただ,テンペスト第三楽章は私の方がうまいと思うのだ←何様?

力の加減といい,第三楽章だけは女性らしく弾いて欲しい私としては,

この楽章だけは,私の方がうまいんだよ,とここだけで言っておこう(もちろん小声でだよ。)。


そしてワルトシュタインの第三楽章,私はこの曲がとても好き。

(テンペストの第三楽章が一番好きだけど。)

ブッフビンダー氏のワルトシュタイン第三楽章を聞きながら,

そういや私は,空を飛んでいくような,突き抜けるメロディが昔から好きだったな,とまた思い出す。


とジーンとうるうるしながら聴いていると,割れ鐘を叩くような音が!!


ペダル!ペダルがぁぁ!!

長い。踏みすぎ。

私としては,この曲で低音部を長く響かせて欲しくない。

とくにブッフビンダー氏は高音がお上手なのだから,低音部は手短に切り離して,

私を空へ連れて行って~ぇ,と願うと,2回目のフレーズでは低音部のペダルは短かった。

願いが通じた?

と思ったらまた長くなった・・・。われ鐘がーーー。


と批判めいたことも書き連ねましたが,とにかくとてもすばらしいコンサートで,

コンサート終了後のサイン会についつい並んじゃいました☆



buchbinder


多分,ブッフビンダー(buchbinder)と書いてある。と思う・・・(*゚ー゚*)


もーすばらしかったです☆

ブッフビンダー氏自身が楽しそうに弾いていたのが,何よりも印象的だった。


アンコール曲は

1.ピアノソナタ第8番「悲愴」第三楽章(ベートーヴェン)

2.ウィーンの夜会(ヨハンシュトラウス)


また彼が来日したら,ぜーったい聴きに行くんだ!