土休日も正月もGWもお盆も関係ない仕事をしている関係でこれらの日を中心に運転される観光列車に乗車できる機会にあまり恵まれない私です。

 そんな私が最近は新潟駅と山形県の酒田駅を結ぶ快速「海里」に最近乗車したことを先日数回に分けてアップしたのを機に、これまでほんの数えるほどですが乗車したことがある観光列車を振り返ってみたいと思います。

 6回目の今回は一昨年の11月半ばに乗車したJR東日本秋田支社の観光列車「リゾートしらかみ」3兄弟のうち「リゾートしらかみ•橅編成」です。

 3兄弟と述べたのは、この観光列車には長男坊として「リゾートしらかみ•青池編成」、次男坊としてリゾートしらかみ•橅編成」、三男坊として「リゾートしらかみ•くまげら編成」と3本の編成が存在するからです。


 リゾートしらかみ用の車両は当初は「青池編成」「橅編成」「くまげら編成」ともに国鉄型気動車のキハ40系からの改造でしたが、「青池」「橅」の2編成は新しいHB-E300系に置き換えられています。したがって「くまげら編成」のみが古い国鉄型気動車で残ります(一部車両は先代青池編成で使用されていた車両が転用されています)。





 この日の秋田を含めた東北地方は全域で晴れ。


 雪の足音が聞こえてきても不思議ではないこの時期の秋田には珍しく小春日和でTシャツ1枚でも十分なほどの暖かさでした。この数年前に角館や男鹿を夫婦で旅行したときは雨や雪こそ降られなかったものの寒かったのとは対照的です。


 ここからの行程は、秋田〜ウェスパ椿山「リゾートしらかみ5号•青池編成(不老ふ死温泉泊)•ウェスパ椿山〜鯵ヶ沢「リゾートしらかみ5号•くまげら編成」(鯵ヶ沢温泉泊)•鯵ヶ沢〜新青森「リゾートしらかみ1号•橅編成」(新幹線で帰京)と、「リゾートしらかみ」三昧の旅です。

 今回の「リゾートしらかみ1号•橅編成」の旅は鯵ヶ沢〜新青森間となります。

 写真の一番下の秋田から奥羽本線(赤線の部分)を出発して秋田県能代市の東能代駅から五能線(青線の部分)を通って青森県南津軽郡田舎館村の川部駅で再び奥羽本線に入って新青森駅へ向かいます。

 日本海縦貫線の主要幹線である奥羽本線と白神山地を挟んで秋田県と青森県の日本海沿岸部を海岸線に沿って通ります。特に秋田県北部の山本郡八峰町八森付近から青森県西津軽郡鯵ヶ沢町にかけて約80kmに渡って海岸線に沿って走る車窓風景は美しく、観光列車である「リゾートしらかみ」は絶景区間では最徐行で景色を楽しませてくれます。

 秋田〜青森間を急ぐなら主要幹線である奥羽本線の特急「つがる」がもちろんおすすめですが、急がない旅なら「リゾートしらかみ」での旅行の方がはるかに楽しめます。


 前々日の「リゾートしらかみ5号•青池編成」、前日の「リゾートしらかみ3号•くまげら編成」に続いて旅行最終日のこの日は「リゾートしらかみ1号•橅編成」への乗車です。

 鯵ヶ沢駅の駅舎の反対側にある「水軍の宿」で旅行最終日の朝を迎えた時には雨が一時的に上がっていて青空も見えていたのでちょっと散策です。

 津軽地方の象徴である岩木山も眺められました。



 宿から日本海までは徒歩で片道10分ほどです。


 チェックアウトを済ませて、送迎バスの時間まで少し間があるので、宿の脇の跨線橋で上り快速「リゾートしらかみ2号•青池編成」が鯵ヶ沢駅を発車したところを見送ります。

 前々日に下りの「リゾートしらかみ5号」で乗車した編成です。


 送迎バスの発車時間となって、この時刻の利用者は私ひとりだけでしたが、バスの扉が閉まる直前からバスが発車して跨線橋を上がって見えなくなるまで深々とお辞儀をして微動だにしない御主人の姿に胸を熱くしてほどなく鯵ヶ沢駅に着きました。





 実はこちらでも宿のチェックアウトの時刻と下りの「リゾートしらかみ1号」との時間が合わず、かなり長い時間を駅で過ごすことになります。

 暇なので駅前のスーパーに入ってみましたが、特に何も買わずに少し散策したあとは駅の待合室で時間を潰しました。


 列車の到着時刻が近づいてホームに出ます。

 上りの深浦行普通列車がやってきました。単線区間なのでこの鯵ヶ沢駅で私が乗車する下りの「リゾートしらかみ1号」と交換のため暫く停車します。

 五能線のローカル列車に使用される車両はディーゼル•エレクトリック気動車GV-E400系です。

 Generating VehicleGVJR EASTEが形式番号の前に付いています。

 ハイブリッド式ではありませんが、ディーゼルエンジンの動力により発電した電力で主電動機を駆動する方式です。


 リゾートしらかみ1号青森行が到着します。






 天気には恵まれませんでしたが、津軽の車窓風景を眺めながらの津軽三味線の生演奏を聴いていると旅情がさらに掻き立てられます。


 五能線の終点は青森県南津軽郡田舎館村の川部駅です。上下列車ともこの川部駅から奥羽本線を一旦弘前駅まで往復します(下り列車は弘前往復前に停車して青森へ向かう時は通過、上り列車は弘前往復前は通過して秋田へ向かう時に停車)。




 この時は新青森駅で下車して東北新幹線で東京へ戻りました。


 実はこの1年後、昨年の11月なのですが、この橅編成には再乗車しています。

 結婚40周年記念日に合わせて母ちゃんを引率して秋田〜弘前(嶽温泉)〜青森(浅虫温泉)〜花巻(大沢温泉)を旅行した時に弘前から青森に移動する時に乗車しました。

 この時は晴天に恵まれて、宿泊先の嶽温泉から弘前市内に戻って弘前公園を散策したりして観光も楽しんだのですが、紅葉も見頃といった感じで、次の宿泊先の浅虫温泉でも陸奥湾を隔てて津軽半島に沈む夕日を眺めることができました。


 快速「リゾートしらかみ1号•橅編成」の車窓から眺める岩木山。明るい青空の下を橅編成の走りも軽やかに感じます。





 終点の青森駅に到着しました。

 前年は新青森駅で下車したので、青森駅までの1駅間を乗車していなかったので、これでこの観光列車の運転区間を制覇することができました。


 快速「リゾートしらかみ」3兄弟の乗車記に関する記事は3回に渡りましたが、今回の記事で終了となります。