母ちゃんを引率しての庄内地方旅日記•••旅行最終日の復路では今回の旅行の締めくくりとしてJR東日本新潟支社の観光列車快速「海里」に山形県の酒田駅から新潟県の新潟駅までの全区間乗車です。


 前回までは羽越本線酒田駅出発時から鶴岡駅での長時間停車(約30分)を含めて海岸線から離れた米どころ•庄内平野を走行する車窓の動画や写真などを貼り付けて綴ってきましたが、今回からは日本海の海岸線に沿って走る列車の車窓風景を動画や写真を貼り付け綴っていきます。

 トンネル区間が多いですが、旅の車窓の雰囲気や線路が通る地形など、この付近に旅行で訪れる機会があまりないような遠方の地方のみなさんにも想像力を掻き立てていただこうと思いますので、トンネル区間でも動画はカットしておりません。


動画(1)

 最初の動画(1)動画の冒頭で通過したのは小波渡駅

 小波渡(こばと)駅を通過すると海が近いことを教えてくれるような空に変化してきました。

 それまで水田が広がる庄内平野を通ってきた羽越本線はここからしばらく出羽三山や朝日連峰から延びる山裾が海岸に迫っているためトンネルが多くなるけれど、だからこその絶景が続く区間でもあるのです。

 以下に貼り付けた動画(2)動画(3)のは長いトンネル内を走行しているシーンなのですが、どこまでも水田が広がる庄内平野の景色から一変、トンネルを抜けると迫る海岸線へと車窓風景が大きく変化するシーンなので辛抱(?)して気長にご覧いただければと思います。

 また、動画(3)の後半で女性車掌さんによるガイドが流れるのですが、その案内通り「海里」が走る羽越本線白新線複線区間と単線区間が多く混在している路線です。

動画(2)


動画(3)
 電化路線•非電化路線の区別なく走行できるHB-E300系ハイブリッド式気動車を使用する「海里」には直接的な関係がないので車掌さんのガイドでは触れられていませんが、羽越本線は新潟県村上市の村上駅〜間島駅のあいだで直流1500V(村上側)と交流20000V50Hz(間島側)に電源が異なります。
 そのため村上駅から〜間島駅間においてデッドセクション(架線に電流が流れていない死電区間)が設けられており、特急「いなほ」E653系交直両用電車ではデッドセクション通過中に車上において交直切替が行われます(最近の新型電車ではデッドセクション通過中でも室内灯が消灯しませんが、E653系では室内灯消灯シーンを体験できます)。


 車掌さんのガイドのあいだに五十川(いらがわ)駅を通過しました。


動画(4)
 鶴岡駅発車前に運転士さんから予告放送があった通り、列車は海岸線に近づいてやや速度を落として走行します。
 特急列車や日本海縦貫線を関西方面と東北•北海道方面を結ぶ貨物列車の運転も多い羽越本線•••そして単線区間と複線区間が目まぐるしく変わる路線でダイヤグラムの制約が多い中でこのようなダイヤ設定を設けてくれていることに乗客として感謝です。
 ローカル線で運転本数も少ない五能線を走る観光列車快速「リゾートしらかみ」のような絶景区間における最徐行ということはありませんが、羽越本線のような主要幹線において少しでも速度を落として車窓の風景を楽しめるような心配りは嬉しいものです。


動画(5)

 午前中に車を運転して通ってきた風景を今度は列車から眺めています。

動画(6)
 ちなみに母ちゃん曰く
「庄内エリアは東北というより北陸から新潟あたりの雰囲気と似てる感じだよう❗️」
なのだそうです。確かに福島県や宮城県、青森•岩手•秋田といった北東北3県や山形県でも置賜地域など内陸部に比べるとそう感じるのかもしれません。
 もしかしたら昔の北前船など交通や物流の名残りによるものや日本海側の気候なども関係しているのかもしれませんね。前日に最上川ライン下りを体験するために国道47号線を通っている時に、ちょっと脇の県道などへ車を乗り入れた時など
「妙高や魚沼あたりを走ってるみたいだよう」
とも言っていました。上信越国境付近同様、庄内地域も内陸部へ入れば名だたる豪雪地帯であるだけに風景や家屋などにもどこか共通するものを感じたのかもしれません。


動画(7)
 次の停車駅•あつみ温泉駅が近づいてきました。
 母ちゃん
あつみ温海あたみ熱海、此如何に?」
などと旅行前に私に問いかけをしてきましたが、そんなことを私に訊かれても答えられるわけがありません。


動画(8)
 あつみ温泉駅の次の停車駅は桑川駅です。桑川駅は有名な景勝地•笹川流れへの下車駅でありますが、特急「いなほ」のような優等列車は停車しません。
 同じく特急「しらゆき」などの優等列車は停車しない信越本線の「日本海に一番近い駅」青海川駅に長時間停車する観光列車快速「越乃Shu*Kura」のように優等列車は目もくれず通過してゆく小駅に停車して乗客は駅のホームや外に出て美しい景色を堪能できるのは観光列車の醍醐味です。
 ちなみに「海里」「いなほ」の停車駅比較をすると、起点•終点である新潟駅と酒田駅を除けば
豊栄(いなほのみ停車)
新発田•中条•坂町•村上(いなほ•海里両方停車
桑川(海里のみ停車)
府屋(いなほのみ停車)
あつみ温泉•鶴岡•余目(いなほ•海里両方停車)
となっています。
動画(9)

 朝まで泊まっていたあつみ温泉の下車駅であるあつみ温泉駅に到着です。すれ違ったのは秋田行特急「いなほ7号」です。ハマナス色U107編成でした。


 特急「いなほ」は定期列車では1日7往復運転されており、2往復が新潟〜秋田間、5往復が新潟〜酒田間(多客期は1往復が秋田まで延長運転)となっています。多客期には臨時列車も運転されます。

 1往復が信越本線特急「しらゆき」と共通運用のE653系1100番台モノクラス4両編成で、残りはグリーン車を組み込んだE653系1000番台7両編成での運転です。

 カラーパターンは以下の通り5種類(7両編成3種類•4両編成2種類)あり、どのカラーがやってくるかはその時のお楽しみです。

いなほ標準色

(U101•103•104•105編成)

羽越本線酒田駅にて撮影


瑠璃色

(U106編成)

奥羽本線秋田駅にて撮影


ハマナス色

(U107編成)

あつみ温泉駅付近(海里から撮影)


しらゆき標準色

(H201•203•204編成)

信越本線青海川〜鯨波間にて撮影


旧上沼垂色

(H202編成)

信越本線笠島駅付近にて撮影



 あつみ温泉駅に到着しました。

 次回に続きます。