今回からは前回の記事「穏やかな君の横顔」の続編となります。つまり母ちゃんを引率しての夫婦旅行の記事となります。
最初の目的地は湯田川温泉。山形県鶴岡市郊外にある静かな集落にある温泉です。というより、いくつかの温泉旅館が集まった小さな集落と表現した方がいいかもしれません。
JR東日本羽越本線鶴岡駅から車を南西方向に向かって走らせて庄内平野の南端、出羽三山から延びる山裾に突き当たったところに位置します。
湯田川温泉へ向かう前に少し遅めの昼食で酒田ラーメンの「花鳥風月」鶴岡店へ。
肉ワンタンと海老ワンタンが入ってるやつを注文しました。
酒田ラーメンはワンタン入りが定番なのかな?自家製麺のお店も多いようです。
建物の外観や店内はラーメン屋さんというよりファミレスみたいな感じでしたが、美味しくいただきました。
湯田川温泉で予約しておいた旅館は九兵衛旅館。
実は今回の旅行のために年次有給休暇を母ちゃんとお互いに合わせて取ったのはいいのだけれど、旅行先はまだ決めていませんでした。
日程を決めてから旅行先を検討するという適当な旅行計画•••。
ここ数年、広範な移動を伴った旅行(一昨年2月の島根県出雲市〜鳥取県三朝町や昨年11月の秋田市〜青森県弘前市〜青森市〜岩手県花巻市など)が多かったので、今回は目的地を狭い範囲に絞ってのんびり旅行を楽しもうということで意見が一致しました。その第1日目の宿として選んだのが湯田川温泉九兵衛旅館です。
旅行に行く時に旅館やホテルを選ぶとき、考え方や基準は人それぞれでしょう。
•なるべく安い宿を選んでその分、外で美味しいものを食べたり観光にお金をかける。
•駅前のビジネスホテルを選んで食事は外で好きなものを食べたり、居酒屋をハシゴする。
•料理は好きなものだけをたくさん食べられるバイキング形式(ビュッフェスタイル)の宿を選ぶ。
•料金にとらわれず高くても高級感のある格式高い旅館やホテルを選ぶ。
•ペット可のところを選ぶ。
•格安旅行会社のアプリやポイントを使って人気の旅館やホテルをお得に宿泊できる手法を選ぶ。
•あまりにも高い旅館やホテルは選ばないが、静かに過ごせて料理が美味しそうな旅館を選ぶ。
•赤ちゃん可のところを選ぶ。
•••等々、旅の宿を選ぶ基準は事情もあって人それぞれでしょう。
ひとり旅ならともかく、夫婦だけで旅行に出かけるときに中には夫婦間でその基準や食べ物の好みが全く違って妥協点を見出しながら苦労して計画を立てている方もいらっしゃることでしょう。その点、私たち夫婦は趣向も料理の好みも全く同じで意見がぶつかるということがないので楽です。
話しが逸れてしまいましたが、私たち夫婦は「あまりにもバカ高い宿は選ばないが、静かに過ごせて料理の質が良さそうなところを選ぶ」のが基準です。二人とも和風が好きなので、そのような旅館を探します。
今の時代は便利なものでインターネットで簡単に探すことができるし、予約も大手旅行会社で扱っている旅館ならJRの切符や航空券、レンタカーなどを全てセットにして予約したり、扱っていない旅館なら直接ネット予約しています。
そして前述の通り今回の旅行で最初に宿泊する旅館として選んだのが九兵衛旅館でした。
今回はのちに別記事としてアップする予定の旅館も含めてJTBで取り扱っている旅館なのでJRの特急券や乗車券、駅レンタカー全てまとめて地元の足立区の北千住マルイの中にあるJTBで予約しました。
九兵衛旅館は全部で全部で7室。
「月の館」
(メゾネットタイプ•プライベート温泉付き)
• 月のうさぎ
10畳和室(上)8畳和室(下)2〜7名対応
• まんまる月
10畳和室(上)板の間(下)2〜5名対応
•お月見
ベッドルーム(上)8畳和室(下)2〜6名対応
「時の館」
• 紅葉の間
10畳和室
• 若葉の間
8畳和室•洋室(ベッドルーム)
「花の館」
• 花ごよみの間
10畳和室(プライベート温泉付き)
• 花だよりの間
10畳和室(スタンダードタイプ)
予約をした時点で「月の館(メゾネットタイプ)月のうさぎ•まんまる月•お月見のいずれかとなります」とのことでした。
駐車場の場所は鶴岡市街方面から入ってきた通りの右側、車を止めて九兵衛旅館の方へキャリーバッグを引いて歩いていたら従業員の方なのか九兵衛旅館別館•珠玉や(たまや)の従業員の方なのかわかりませんが
「九兵衛旅館ですか?こちらですよ」
と、丁寧に案内をしてくれました。
チェックインして通されたのは「お月見」。
館内のロビーや廊下部分なども全て目の細かい畳(琉球畳でしょうか?)が敷かれておりスリッパ無し。館内を裸足で歩けるので快適です(部屋に足袋の用意あり)。
「お月見」は2階への階段を上がってすぐの間。下の和室は8畳ですが、夫婦2人なら十分な広さ。上に寝室があるので2人で寛ぐには申し分ない広さが確保されています。
上•••部屋の2階部分(建物では3階部分にあたります)は洋室となっていますが、ベッドルームは一段高くなって畳が敷かれています。奥には小さな和室があり、掘り炬燵となっていますのでベッドの脇で就寝前に夫婦で歓談することも可能です。
下の和室、上の洋室部分両方にトイレがあるのも楽です。
洗面所やプライベート温泉は上の階にあります。
テレビも下の階と上の階の両方に備え付けられているから便利です。
私たち夫婦は揃ってベッドより「畳に布団」派なのですが、こちらのベッドは柔らか過ぎず快適に眠れました。
よく身体が沈むように柔らかなベッドを採用している宿泊施設があり寝ていて却って疲れるし、起きたときに腰が痛くなっているようなベッドがあるのでなるべくベッドではない部屋を選ぶようにしていますが、こちらのベッドへの事前の心配は杞憂に終わったので良かったです。
プライベート温泉は掛け流しで温泉が常に出しっ放しとなっています。アメニティも完備されているから身体もここできれいに洗うことができるので、こちらで全身をきれいに洗ってから大浴場に行って再び軽く身体を洗ってから広い湯船や露天風呂にゆっくり浸かることも可能です。
大浴場は山の湯(露天風呂付き)と川の湯(露天風呂はありませんが、壁面に大きな水槽があってたくさんの金魚が泳いでいるのを眺められます)のふたつで、男女入替制ですから両方楽しめます(写真は九兵衛旅館のホームページでご覧ください)。
こちらは3階への階段を上がったところにある貸切温泉風呂です。
入口に「空いています」となっていれば自由に利用できます。入るときに札を裏返して「使用中」にして中から鍵をかけて入ることができます。こちらもアメニティやシャワー完備なので、きれいに全身を洗ってからお湯にゆっくり浸かれます。
よく貸切風呂には洗い場も無いところがあるのですが、軽く掛け湯だけしてお湯に浸かるというのは衛生的に疑問を抱いているから、このような心配りは助かります(まあ見ているわけではないからいきなりドボンと湯船に入る人もいないとは限りませんが•••)。
館内には鶴岡市出身の作家藤沢周平さんの作品や原稿、作品を原作とした映画やドラマに関するものが展示されています。
藤沢作品の書籍も販売されているようですが、単行本を買ってけっこう読んだことがあるので今回は購入しませんでした。
そしてもうひとつ•••。
永遠の清純派女優•••80歳になられた現在でもその内側から醸し出される美しさと気品(ご本人が主張しているのではなく、自然に放たれているオーラのような美しさと気品)に溢れた吉永小百合さんがJR東日本「大人の休日倶楽部(大人になったらしたいこと)」のCMとポスター撮影で鶴岡市に来たときに宿泊したのが九兵衛旅館「お月見の間」。
期せずして吉永小百合さんが宿泊された部屋に宿泊したのです(←それが言いたかった?)。
私の年齢は「サユリスト」世代ではなく、それは我々の親やその下の団塊の世代あたりのファンを指しますが、私と同年齢の方に「小百合」という名前の女性が多いと感じられるのはそのためかもしれませんね。
それは別としても「大人の休日倶楽部•大人になったらしたいこと」のテレビCMは吉永小百合さんと撮影地の映像、BGMで流れるミルフィ•レッドマン楽団がカヴァーして演奏する「アマポーラ」との調和が好きです。
ところで建物の構造上エレベーターが無いようなので四肢に障害をお待ちの方には残念ながらお薦めできないと感じました。特にメゾネットタイプとなっている「月の館」は構造上厳しいでしょう(あくまでも私の主観なので詳しくは旅館に問い合わせて確認や相談をされるといいと思います)。
次回は夕食と朝食に続きます。