秋田駅から乗車してきた特急「スーパーつがる」から弘前駅で下車しました。
引き続き母ちゃんを引率して弘南バスの路線バス枯木平行に乗り換えて津軽富士の愛称で知られる岩木山の山麓にある嶽温泉へと向かいます。
青森県弘前市の嶽温泉は湯量が減少して温度も下がってしまって一時は全ての旅館•ホテルが休業となり、残念ながら破産•廃業に追い込まれてしまった宿泊施設もあります。
しかし、私たちが向かった小島旅館は以前ほどではないけれど湯温が上がって営業を再開した旅館です。
予約はネットで行い、小島旅館から案内メールが来て3日以内に確認電話がかかってきて電話対応により予約が成立するシステムです。
建物は古くて内装も昭和40年代から50年代くらいのものといった感じで防音対策もあまりなされていないレトロな旅館といった感じです。
何から何まで揃っているリゾートホテルのような宿泊施設を好む向きには絶対に無理な旅館•••しかし、私たち夫婦は昔ながらの旅館が好みで、温泉施設の風情やお湯だけでなく料理もきちんとしたものを並べられる旅館が選択条件で優先されます。ビュッフェタイプやバイキング形式の旅館はまず最初に選択肢から外れます。
現代の若い人たちだと敬遠するかな?
でも昭和世代の私たちにとってあまり気にならないのです。
入口を入って微かに匂ってくる湯の匂い•••まさに私たちの好みです。
今回の旅行•••実は結婚40周年記念旅行を兼ねた旅行なのです。
(長いようであっという間の40年)
でしたが、嗜好というのか様々なことにおいて好みが一致し続けていることは有難いことです。
手前がぬるめで、奥が熱めの湯船です。この日は宿泊客が少なくて至福のひとときを独占することができました。
部屋の写真を撮影する前に早くも母ちゃんがスマホの充電器やら自分のリュックから中身を広げたりしてお見苦しい写真になってしまいました。いつも何をしでかしてくれるかわからないので、ちょっと目を離すとこの有り様です。
夕食は山の食材が満ち溢れています。
海から離れた山間の宿で刺身などが存在を主張し過ぎるとシラけるものですが、こちらではあくまでも控えめだったのが好印象でした。
味付けは上品な優しいもので満足できました。
こちらの旅館•••クチコミの評価を見ると高い評価をしている方が多いのですが、中には接客態度について(愛想が良くない)といった書き込みを見かけます。しかし無愛想なのではなく、純朴な人柄がそのまま表れているのだと私は思います。会話をしていてそう思いましたし、とても親切でした。また利用したい宿のひとつです。まわりの旅館やホテルが廃業に追い込まれてしまった中で孤軍奮闘といった感じですが、機会があれば応援する意味においても再訪したい旅館です(ただ、古い旅館なので部屋にトイレが無いのは少し不便ですが•••)。
あとは建物の古さゆえ防音対策も万全ではないので子供を連れた家族連れには不向きかもしれませんが、逆にひとり旅や夫婦2人だと落ち着いて過ごせる宿だと思います。
白濁色のお湯は好みなだけでなく、湯船に浸かった時に身を包む感触は最高で、夕方と夜中と朝と3度もお風呂に入ってしまいました。
夫婦旅の序章としていい気分で宿泊することができました。