頭を垂れた稲穂は
まさか僕に敬意を払っているわけであるまい
知識と技能と徳を積んだ人ほど
謙虚であるという
きっと稲穂は僕に
常に謙虚であれと諭しているのだろう
美しき沢の渓声は
まさか僕を迎え入れる歓声ではあるまい
烏滸がましさを叡智と履き違えた
身の丈知らずになるなと
きっと渓声は僕に
常に謙虚であれと囁いているのだろう
新潟県柏崎市青海川•••米山(よねやま)の山裾がいくつかの断崖に分かれて日本海に迫り出している谷間の小さな集落です。
「日本海に一番近い駅」として名高いJR東日本信越本線青海川駅は小さな無人駅。優等列車はもちろん快速列車も停まらないこの駅の利用者はごく僅かですが、土休日や観光シーズンに1日1往復運転される観光快速列車「越乃Shu*Kura」は停車して乗客はホームに出ることができます。まあ賑わうのはその時くらいなもので、人家もぽつりぽつりと点在しているくらいなものですから普段はとても静かなところです。
鄙びた駅ではありますが、新潟県の上中下越地域の中核都市を結ぶ信越本線という主要幹線の途中駅ですから1〜2時間に1本程度の間隔でローカル列車が停車します。
昨日は予想に反して晴れてくれたので2つ隣の米山駅近くまで列車の写真を撮りに来ていました。
朝の下り特急「しらゆき1号」を撮ってからここへやってきて、およそ1時間後に通過する上りの特急「しらゆき2号」を撮るつもりでした。
駅から少し歩いたところにある柏崎さけのふるさと公園の駐車場に車を止めて駅前に突き当たって右の小径へ進んで線路の下をくぐります。
線路をくぐって海側に出て駅の方を振り返ります。
たくさんの蜻蛉が飛び交っています。こうなると夏から秋へと季節が変わろうとしていることが感じられます•••といっても、この日はフェーン現象でとにかく暑かったです。
この遊歩道の橋は一時老朽化で渡ることができない時期がありましたが、新しく生まれ変わっています。海に突き出ているのは恋人岬です。
遊歩道の橋の上から山側を眺めます。下を流れるのは谷根(たんね)川。写真を撮っている私の背後は河口となっていて、ここからサケが遡上します。
川というよりは沢と言った方がいいほどに川幅は狭いのですが、写真の奥に位置する柏崎さけのふるさと公園の脇へと繋がっています。
赤い橋脚と橋桁の高い橋は国道8号線米山大橋です。さらに奥の橋は北陸自動車道です。
手前の信越本線は左側はすぐにトンネルとなっていて、トンネルの先は笠島駅となります。
この時点で台風10号はまだ九州にいて遠く離れていたのですが、南からの湿った空気が関東に雨を降らせて、それが上信越国境の山を越えてきてフェーン現象を起こしてかなりの暑さでした。しかし、空を見上げると刷毛で刷いたような雲•••秋の到来を告げるかのような空でした。