2014年
折り返し点を過ぎてはいても
まだ前を向いたまま歩いていたあの頃
過去を振り返るそれは
老いたこころだと思っていた
2015年
坂道は上るものだと信じていた
下ることは安易なこととこころのどこかで
軽蔑に似たまなざしで
先を見据えることなく眺めていた
2016年
青き水鏡を眺めながら
おれのこころもこうでなくてはならぬと
目指してきたはずなのに
風に流され波紋を描いていた
2017年
突き抜けるように明るさを
どこまでも求めていた若かったあの頃
美しい世界だけを
見ていたかったとでもいうのか
2018年
2019年
何も言わない何もしない
そんな世界にいつまでも浸っていると
些細なことでも目立つんだ
まるで平野に浮かぶ低山のように
2020年
木々が黄金色に染まる頃
やがて雪が追いかけてくることを忘れて
この美しさの中に染まって
そのままこの空に溶けてしまいたくなる
2021年
伸びる線路のようなこころを
おれは果たして持ち続けてきただろうか
本当は山間を抜ける線路のように
曲がりくねって生きてきた気がする
2022年
通り過ぎる列車には
きっとたくさんの夢が詰まっていて
その時間を大切にしたくて
こころの中に栞を挟んでいることだろう
2023年
うっすらと汗を滲ませて
風の心地よさに身を委ねていると
そのまま溶けてしまいたくなる
このまま時の流れが止まればよいものを
2024年
遠回りばかりしてきた
足跡を振り返ってみたくなったのは
言葉では表せない
少年(こども)の時に駆け回っていた道へ•••