冬晴れの早朝の北陸新幹線や上越新幹線の下り列車の進行方向左側の座席から車窓を眺めていると、東京都内から埼玉県の熊谷駅を通過するあたりまでは富士山を遠望できるが、熊谷駅を通過したあたりからは富士山は上武国境の山並みに隠れて見えなくなる。

 代わって左前方に白銀に輝く浅間山が姿を現すようになる。

 列車が神流(かんな)川を渡って群馬県に入り、高崎駅に近づいて烏(からす)川と並行を始めると浅間山が近づいてくる。

 関東平野側から眺める浅間山は周囲の低い山並みと違って雪化粧した姿を朝日に輝かせて存在感が大きくなる。赤城山や榛名山、妙義山といった上毛三山の存在が霞んでしまうほどだ。


 高崎駅を通過すると上信国境の山々に一旦隠れて見えなくなってしまうが、北陸新幹線の列車では碓氷峠を越えて軽井沢駅に至ると今度は進行方向右側の車窓に広がる高原風景の先に鎮座する浅間山に目を奪われる。

 北陸新幹線のうち東京〜長野間を折り返す列車の列車名に採用されている「あさま」はもちろんこの浅間山から付けられているものだが、昔は長野と新潟を結ぶ準急列車に付けられ、その後上野と長野•直江津を結ぶ特急列車の列車名として北陸新幹線•東京〜長野間先行開業時まで長く信越本線の顔役として活躍し続けた。

 そして新幹線開業によりお蔵入りすることなく新幹線の列車名として現在に至っている。


 車窓に現れる浅間山の美しさはここを通る列車の愛称として「これ以上ない」ほどのものを感じる。


 軽井沢駅から佐久平駅の間では浅間山を美しく眺められる区間ではあるが、残念ながら軽井沢付近は高原地帯ということもあって濃霧に包まれてしまうことも多くて、その姿を楽しめるかどうかは時の運次第でもある。


なつかしの写真

 

 

 

 

 

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