前回はJR東日本秋田支社が運行する快速「リゾートしらかみ5号」に乗車して秋田駅を発車したところまでを綴った。
翌日からは雨という予報が恨めしいほどの晴天、しかもこの時期の北東北とは思えないほどの暖かさだった。
列車はJR東日本秋田総合車両センターの脇を通り抜けて土崎駅を通過する。
もとは国鉄土崎工場。入場している赤い車両は羽越本線の特急「いなほ」で活躍する新潟車両センターに所属するE653系。
男鹿線との分岐駅である追分駅に停車。
HB-E300系青池編成1号車
1•3•4号車はリクライニングシートで座席部分の床が少し嵩上げされ、側窓も上下方向に大きく取られた構造なので展望がいい。シートピッチも広いので在来線の特急型車両よりもグレードが高く感じられるほどだ。細かな点では列車種別上は普通列車に分類される快速列車として運用されるのでヘッドレスト部分にリネン(枕カバー)は掛けられていないところ以外は特急列車と比べて遜色ない•••というより特急型以上という印象。
2号車はセミコンパートメント構造(というよりほぼ個室)で、4人用のボックスシートとなっている。こちらは五能線内では海側を向く片側配置となっており、通路との仕切と扉があれば完全な個室となるが、さすがに快速列車用の車両とあってそこまで豪華な構造とはなっていない。
グループ向けとしては乗って楽しい車両ではあるが、それだけに会話の声が大きい(とくにアルコール類を飲んでいると)グループもいたりして静かに車窓の風景を楽しみたい個人旅行者にはあまりお勧めできない車両ではある。
JR東日本のハイブリッド式気動車HB-E300系は長野総合車両センターに快速列車「リゾートふるさと」用に製造•配置されたのを皮切りに秋田総合車両センター所属「リゾートしらかみ」用の「青池編成」「橅編成」、盛岡車両センター八戸派出所に所属する快速列車「リゾートあすなろ」用編成、新潟車両センターに所属する快速列車「海里」用編成が存在する。
ハイブリッド式ということで、発車直後と停止前にはまるで現在のJR東日本の電車のような音が聞こえるほか、力行時にはディーゼルエンジンの音を響かせるが、速度が上がって惰力での走行時などは電車のように静かな音で走るので気動車としての本来の迫力ある音と電車のモーターのような音が楽しめる車両だ。
東能代駅に到着。
ここで列車は進行方向が逆向きとなり、私が乗車している4号車は最後尾となる。
今度は1号車を先頭にして奥羽本線から五能線へと入ってゆく。
次回から五能線の車窓を楽しみながらの旅路となります。