今回の鉄旅は新潟県を走るえちごトキめき鉄道の観光急行「朝から夕まで455」という土休日を中心に運転される同鉄道の観光列車にフル乗車するというものです。
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ここまで直江津8:43発〜快速〜妙高高原9:37着9:44発〜快速〜直江津10:35着11:31発〜急行1号という経路で谷浜駅を通過したところまで記事にしてきました。
この列車は全国各地のJR•民鉄•第3セクター各社の観光列車とは趣きの異なる観光列車です。
SL牽引列車でもなく、車両の内外にあらゆる趣向を凝らしているわけでもなく、列車レストランというわけでもありません。高級感は微塵も感じられない(失礼)観光列車です。
この列車のウリは、JR西日本から廃車•解体が目前に迫っていた元国鉄急行型電車を近郊用に改造して北陸地区を走っていたクハ455-701+モハ412-6+クモハ413-6を購入し、この車両のルーツ(改造前の急行型車両)が纏っていた国鉄交直流両用急行型カラーに復刻、外観はオリジナルの国鉄急行型車両の姿を色濃く残しているクハ455-701(内装は413系同様に車端部はロングシート化されてしまってデッキとの仕切もありませんが•••)を指定席車両としてボックスシートを1人または2人で占有できるというところです。
あとは•••私と同世代の方には同じような思いを持っているという方もいらっしゃるかもしれませんが、私は少年時代に国鉄在来線特急•急行列車全盛期をリアルタイムで見てきて憧れを持って眺めていたり乗車するときのワクワク感を覚えていた経験が鉄道好きに繋がったともいえるので、改造されたとはいえ絶滅寸前である元国鉄急行型電車を購入して運行していただいているえちごトキめき鉄道様への感謝の念というのもあるかもしれません。
前回は直江津駅発車から谷浜駅通過までの車窓の動画をアップしました。今回はその続きです。
谷浜駅を通過した列車の車窓から進行方向右手に国道8号線とその向こうに広がる青い日本海を眺めます。
ほどなくまたトンネルに入るのですが•••。
この一帯は上越市街地(高田や直江津)のある平野部を抜けて山が海岸線に迫り出しているところです。この先富山県に入るまでその状態が続きます。
車で国道8号線を走るとよくわかるのですが、国道も海岸線に沿って通っています。
昔の国鉄北陸本線も国道と同じく海岸線に沿って通っていましたが、昭和の高度経済成長期の時代に関西〜北陸〜東北地方を結ぶ日本海縦貫線の一部として電化及び複線化するときに線路の高規格化と冬期の北西の季節風と暴風雪、そして高波の影響を抑える目的もあったのでしょう•••多くの区間が山にトンネルを掘って新しい線路に付け替えられました。そのため長いトンネルが連続することになります。
ちなみに旧線跡は「久比岐(くびき)自転車道」として整備されて現在も活用されています。
速度を落としてトンネルを抜けると有間川の漁港が見えてきます。この列車が走行する区間では一番海に近いところを通ることや有間川駅の古い木造駅舎を眺められるようにとの配慮です。
有間川駅を通過すると、すぐにまた長いトンネルがつづきます。
トンネルを抜けて名立駅を通過します。この名立駅までが上越市です。
名立駅は上下線ともに本線にはホームが無い通過線となっており、ホームは外側の副本線(待避線)側にある新幹線の途中駅のような造りです。
1号車指定席車両のクハ455に乗車しているのでモーターの音はあまり聞こえませんが、トンネル内では2号車•3号車の413系ユニットからのMT54形主電動機からのモーター音が聞こえてきます。
ちなみに私はこの主電動機の音とブロワー(主電動機を冷却する送風装置)のいかにも国鉄型らしい音が好きなので、このような企画列車でなければ迷わず3号車のクモハ413に乗車していたかもしれません。
トンネル内の動画が続いてつまらないかもしれませんが、このような地形のところを走っているというところを想像してみていただけたらと思います。
今回の締めはトンネル内の駅である筒石駅をゆっくり通過する場面といたします。
筒石駅は地下40mのトンネル内にあり、地上の駅舎までは約300段の階段を上がっていかなくてはなりません。群馬県のJR東日本上越線土合駅(下り線)とともにトンネル内の駅として人気がある駅です。
対照的なのは土合駅が谷川連峰を控えた清水峠の麓にあるのに対し、筒石駅は山が海岸線に迫っているところにあるというところです。
次回に続きます。