前回記事では新潟県上越市中郷区のえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの妙高山麓における春景色をアップしましたが、今回はその後場所を長野県側に移して信濃町のしなの鉄道北しなの線古間駅へとやってきました。
古間駅は国鉄〜JR東日本時代を通じて同じ信濃町の黒姫駅やその次の新潟県側に入った妙高高原駅が避暑地やスキーなどのウィンタースポーツを楽しむ人々で特急列車が停車する駅だったのに対して優等列車は停車しない小さな駅でした。反対方向の長野方面へ行った隣駅の牟礼駅にも地域間ローカル急行列車の一部列車が停車していたのに比べると取り残されたかのような駅でしたが、だからこそ駅前に土産物店や観光施設などが無い素朴な姿と北信五岳のうち妙高山と黒姫山を背景とした風景は私のお気に入りスポットでもあります。唯一残念なのは古い駅舎は残っておらず、小さなコンクリート駅舎に変わってしまっていることくらいなものです。
駅前からわずかに長野方向に歩いたところから眺める妙高山と古間地区の風景。
優しく流れる風はまるで春の女神の息遣いのようです。
さらに少し歩いて農道が線路を横切る踏切を渡ります。こちらは長野方面で、画像奥のトンネルの右側には線路と並行する旧線跡の道路の旧戸草トンネルがあります(信越本線開業以来の非電化時代のトンネルで、狭小トンネルであるため電化時に線路を付け替えて新しい広いトンネルが建設されて現在に至ります。旧トンネルは生活道路のトンネルとして美しく保全されて現在も使用されています)。
こちらは妙高高原方面。奥に見える古間駅ホームを眺めます。右側にはかつて線路が敷かれていて列車のすれ違いもできましたが、現在では線路は撤去されて棒線駅となっています。線路があった時代のホームは荒れ果てているものの現在も残されています。
踏切を渡って妙高山を振り返ります。
駅の反対側へ回って到着する列車を待ちます。
やってきた上り列車はJR東日本時代の旧信州色を復刻した編成でした。
国鉄時代の車両である115系はオリジナル色は通称湘南色と呼ばれる濃緑と橙色のツートンカラー及び濃青とクリーム色のツートンカラーの通称山スカ色と呼ばれて主に中央東線(中央本線のうち東京〜塩尻間の通称)や篠ノ井線を走っていたものでしたが、国鉄分割民営化によりイメージアップのため各地域別にさまざまなニューカラーを纏いました。
旧信州色もそのひとつで、JR東日本長野支社の管内を走る115系はオリジナルの湘南色からこのカラーに順次塗り替えられました。のちに淡い水色とライトグレーのツートンカラーにライトグリーンの細帯を巻いた新信州色に再度塗り替えられました。
もうすぐこの辺りの田圃にも水が張られることでしょう。そのときには青空と残雪を抱いた妙高山とともにやってきた列車を水鏡が映す画を撮ることができます。
私はこの場所がとても好きで、田圃に水が張られると昼夜を問わずやってきてしまいます。
見送った上り列車と隣の牟礼駅ですれ違ってやってくる下り列車を再び駅舎側に戻って待ちます。
定刻より少し遅れてやってきたのはオリジナルの湘南色に復刻された編成でした。
しなの鉄道では列車の運行表をPDFで公表しており、どの編成がどの列車の運用に入るのか予定がわかるようにサービスしてくれていますが、基本的には私は
(来てのお楽しみ)
というスタンスなので今回も前記事でアップしたえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインを撮影した流れで何も確認しないでやって来たのですが、ラッキーでした。
妙高高原へ向かう下り列車を見送って撤収しました。