私がアップするブログ記事はテーマが鉄道だったりちょっとした旅行だったりすることが多いから鉄道や旅行が私の趣味だと認識している方が多いと思います。
もちろんその通りですが、音楽を聴くのもとても好きで、持っている多くの音楽CDの中から気に入っているアーティストのアルバムのうちいくつかはPCを介してスマホに取り込んで通勤の電車の中や自宅で寛いでいるときなどイヤホンでよく聴いています。私が高校生の時に登場して一世を風靡したウォークマンの現代版といったところです。
ジャンルではジャズ/フュージョン、AORやR&Bなどが多い傾向にありますが、アーティスト別で見ればMPB(ブラジルのポップミュージック)の世界では大御所的な存在ともいえるIvan Lins(イヴァン•リンス)のアルバムが多いかもしれません。
洋楽を好んで聴く方の中には彼のファンだという方も多いかもしれませんし、私もそのひとりです。初めて彼のアルバムを見つけて購入して以来、再販された初期のアルバムから近年発売されたアルバムに至るまで多くのCDを購入しています。
ところで•••私に限らずある曲を聴いているとその楽曲とは全く無関係な情景が脳裏に蘇るということがあるかと思います。若い頃にデートでドライブした時にBGMでよくかけていた、車で旅行した時に聴いていた曲を改めて聴いていると当時の旅先の風景が思い起こされる、学生時代にヒットしていて街中どこでも流れていた等々•••。
もちろん私にも懐かしい曲を聴くと「世間知らずで勢いがあった」若い時代を思い出すことが多々あったりします。
その中で今回はそれらとはちょっと違った不思議な感覚の話です。
それは前述したIvan LinsのCOMECAR DE NOVO(コメサール•ヂ•ノーヴォ)という曲。
彼がこれまで発表してきた数々のアルバムの特徴として既に発表した曲をアレンジし直して新しい視点で「焼き直し」しているものが多いということが挙げられます。初期のアルバムはともかく、その後発売された多くのアルバムには新しく収録し直した曲が多く、新曲ばかりで固めたアルバムの方が少ないかもしれません。COMECAR DE NOVOも同様でたくさんのアルバムで新たな音源で収録し直されていますが、1984年に発売されたJUNTOS(ジュントス)というアルバムに収録されているこの曲もそれ以前のアルバムで既に発表されている曲です。
このアルバムに収録されているCOMECAR DE NOVO はVerônica Sabino(ヴェロニカ•サビーノ)という女性シンガーとのデュエットで歌われています。アントニオ•カルロス•ジョビンなどと同じ時代に現代ブラジル音楽の確立に実績があり、のちにアメリカに拠点を移したOscar Castro-Neves(オスカー•カストロ•ネヴィス)が奏でるボサノヴァ風のギターをバックに歌うVerônica Sabinoの歌声と曲の後半から絡んでくるIvan Linsの歌声が魅力的なアレンジとなっていて、他のアルバムに収録されているこの曲のアレンジと比べて個人的には一番好きなアレンジです。
ただ、このアルバムはかなり前にCD化されて再販されたものを購入していたのですが、なぜか今まであまり聴いてはいませんでした。
それが先日なんとなく通勤の電車の中で聴いていたらCOMECAR DE NOVOが流れてくるとなぜか2月に夫婦で山陰を旅行したときに訪れた島根県出雲市の風景が脳裏に蘇ってきたのです。
神話の国•••出雲と地球の反対側の国のアーティスト、しかもボサノヴァ風にアレンジされたこの曲のどこがどう結びついたのか判りませんが、それ以来このアルバムでここの曲を聴くとなぜかあの旅行での出雲地方の情景が思い起こされるのです。旅行のときに聴いていたわけではないのに不思議なことです。
























