「母ちゃん、ちょっと散歩してくる」
「父ちゃん、散歩ってこんな早朝からどこをほっつき歩いてくるんだえ?」
「上野恩賜公園でも歩いてこようと思ってさ•••早朝なら人も少なくて気持ちよさそうだ」
「そうかえ•••気をつけて行ってきな」
と、地下鉄で上野駅まで行って東京メトロ上野駅から上野恩賜公園に向かうはずが•••。
足が勝手にJR東日本上野駅への乗り換え通路に向かってみどりの窓口へと強引に私を連行❗️
手が勝手にポケットから財布を取り出して福沢諭吉先生を指定席券売機に挿入
イエ〜イ♪
早朝の上の恩賜公園を散策するはずが金沢駅。
北陸新幹線の下り一番列車「かがやき501号」でやってきました。
ただ散歩をしてくるつもりだったのでもちろん手ぶらです。
(東京から手ぶらで金沢に来るのはオレくらいなもんだろう•••)
「母ちゃん、ちょっと稲荷町の喜多方食堂に行って朝ラーしてくる」
「朝っぱらからラーメンかえ?好きだねぇ•••気をつけて行ってきな❗️」
(うんめぇ•••冬の朝はやっぱり蔵出し味噌の平打ち太麺がいいな♪)
腹ごなしのつもりで稲荷町から上野まで歩いて上野駅から地下鉄に乗るつもりがまたしても足が勝手にJR上野駅へ•••。
なぜか山形駅。朝ラーだけして帰宅するつもりだったからもちろん手ぶら•••。
(東京から手ぶらで山形にやってくるのはオレくらいなもんだろう•••)
こうなると本人でさえワケのわからない自負があったりします。
山形駅から仙山線に乗り換えて山寺駅。
駅を出た途端、足が勝手に宝珠山立石寺(山寺)へと歩き始めました。
(こらこら•••雪が舞っているというのに勝手なことをするな❗️)
と、叱りつけたところで言うことを聞くほど私の五体は素直ではありません。
足はますます調子づいて雪が凍りついてガチガチになった1,015段もの石段を登り始めます。
(ヤバいよヤバいよ•••こんなところで滑って転倒して怪我でもしたら大変なことになるぞ❗️)
一段上がるごとに煩悩が消えてゆくと言われる山寺の石段です。きっと足も私の煩悩を消していこうという気配りをしてくれてるのかもしれません。
(東京から手ぶらで冬の山寺にやってくるのはオレくらいなもんだろう)
とうとう登りきりました
煩悩を消し去るつもりが一段下りるごとに煩悩がひとつずつ芽生えてきて下山したら元通りになっていました。
それにしても冬の山寺は危険•••とくに石段を下りる時は足元がガチガチに凍っていて滑るので横を向いて(スキーで斜面を上がってゆくような姿勢)慎重に下っていかないと本当にヤバいです。前を向いて石段を下りようものなら後ろ向きに転倒して後頭部を打ってしまうでしょう。
帰りは仙台経由で帰りました。
「父ちゃん、ずいぶん遅かったじゃないか•••3食ラーメン食べてきたのかえ?」
「いや、そういうわけでは•••」
「母ちゃん、散歩がてら上野の国立博物館に行ってくる」
「気をつけて行ってきな❗️」
イエ〜イ♪
国立博物館に行くつもりがなぜか上田駅。
信州•上田は戦国時代の武将•真田昌幸が築いた上田城により発展した城下町。
しかし私の足は上田城を見学するつもりはないらしく、勝手にしなの鉄道の改札口を通って軽井沢方面に戻るようにして上り列車に乗車しました。
下車したのは上田駅からふたつめの田中駅。長野県上田市のお隣の東御市になります。
田中駅から足がまたしても勝手に上田方向に歩き出します。
やってきたのは旧北国街道海野宿。
この日はほとんど人通りが無くて、どこも固く戸締りをしているような光景。私のことを警戒しているのか、まるで無頼浪人にでもなったような気分です。
「母ちゃん、ちょっと散歩してくる」
「寒いから暖かくしてくんだよう❗️」
ひゃっほう〜♪
散歩のつもりがなぜか上越新幹線「とき301号」の車中。浅間山と高崎観音を眺めてどこへ行く?
もちろんこの日も手ぶらです。
散歩のつもりが新潟駅。
ここから羽越本線の特急「いなは」に乗り換えて冬の笹川流れでも眺めつつ秋田へ出て秋田新幹線の「こまち」で東京へ戻ろうかという壮大かつ無駄遣い旅を思いついたのですが、羽越本線が強風のため酒田〜秋田間で運転見合わせとなってしまい予定を変更(もともと散歩してくるだけのつもりでしたから予定なんか立ててないのですが•••)。
駅コンコースの発車案内表示を見ると磐越西線の快速列車•会津若松行の発車時刻が近づいていました。
(よし、この列車に乗って会津若松から乗り継いで郡山経由で東京へ戻ろう❗️)
福島県に入って会津若松の少し手前の喜多方あたりでお昼近くなったのでお腹も空いたことだし喜多方駅で下車。もちろんちょっと散歩のつもりで自宅を出てきたので手ぶらです。
(東京から手ぶらで喜多方にやってくるのはオレくらいなもんだろう。しかも新潟経由で•••)
せっかく喜多方駅で下車したのですからお昼はもちろんラーメンですな•••。
駅に近いこちらは便利で美味しいのですが、母ちゃんを引率してきたことがあるのでこの日は別のお店を物色することにしました。
福島県喜多方市は蔵のまち。
画像では外はいいお天気に見えますが風が強くて飛んでくる雪が頬を叩いて寒かったですから温かいラーメンのなんと美味いこと♪
ちなみに私の一番の好みは中太縮れ麺で透き通るようなスープですからこういうラーメンは私の好みにぴったり合います。
帰りは郡山経由で東北新幹線で帰りました。
「母ちゃん、ちょっと散歩してくる」
「あんまり遠くへ徘徊するんじゃないよ❗️」
以下のなりゆきはもう説明不要ですよね?
行くぜ❗️
下車したのは北陸新幹線の上越妙高駅。
えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに乗り換えます。
この駅で下車したら必ず敬愛する上杉謙信公にご挨拶。
現役のスイッチバック駅である二本木駅に停車中です。このあたりから長野県境にかけては我が国でも有数の豪雪地帯です。
次の関山駅ではあまりの雪の深さに駅を発車した列車がユニットダウンするのか進めず、ホームまでバックしては前進する繰り返しで運転士さんはかなり苦労されていました。結果的にかなり遅れて終点の妙高高原駅に到着、以後の列車は運休となってしまいました。危うく関山駅で帰れなくなってしまうところでした。
妙高高原駅にて。
ここからしなの鉄道北しなの線に乗り継ぎます。
この先の黒姫駅を過ぎれば次の古間駅あたりまではかなり深い積雪ですが、ここまで来ればもう大丈夫でしょう。
車窓の雪景色を眺めながら長野駅まで行って再び北陸新幹線に乗って東京へ戻りました。
「父ちゃん、今後散歩禁止❗️」