このシリーズの続きです。


 母ちゃんを引率しての山陰旅行もいよいよ終わりに近づいてきたわけですが、熱海駅を発車後の車窓の風景や駅に停車していたりすれ違う車両に関東へ帰ってきたことを感じます。

 「サンライズ瀬戸+サンライズ出雲」は現在のわが国における在来線の定期列車では最も長い区間を走行する列車です。

 かつてもっと長い距離を走行する列車はざらにありましたが、新幹線網の拡充や格安航空路線、高速道路網の発達による高速夜行バスの出現により長距離列車は衰退の一途を辿ってきました。

 長距離夜行寝台列車を利用しなくても翌朝の早い時間帯の新幹線や航空機に乗れば追い越してしまうという現実と遅延や事故に巻き込まれるリスクは高いが料金が安い高速バスに利用者が移行してしまったのは当然の流れですが、東京〜高松を結ぶ「瀬戸」と東京〜出雲市を結ぶ「出雲」だけは新幹線が直通していない地域への列車であり、岡山駅で新幹線から特急列車に乗り継いでも追いつけない時間に終点に到達するということで生き残ったといえます。


 小田原駅を通過すると東海道本線は旅客列車が走行する「列車線」とおもに貨物列車が走行する「東海道貨物線」との複々線区間となります。「サンライズ瀬戸+サンライズ出雲」は下り列車では「列車線」を走行しますが、上り列車では小田原〜茅ヶ崎間で「東海道貨物線」を走行します。

 これは朝の通勤時間帯に東京駅に到着するダイヤであるため、東海道本線に運行異常が発生した場合に普通列車が「サンライズ」を待避することによる遅延の拡大などを回避するためなのだそうで、東海道本線で運行異常による大幅なダイヤの乱れが発生した場合には茅ヶ崎以東もそのまま貨物線を走行するそうです。


 東海道貨物線を走行中の大磯付近での車窓の動画です。上野東京ラインや湘南新宿ライン(東海道本線の普通列車)との並走シーンです。

 動画で並走する普通列車は先頭から前5両の付属編成がE233系、2階建てグリーン車2両を組み込んだ後ろ寄り10両の基本編成がE231系でした。時間から推測すると小田原発東北本線(宇都宮線)直通(上野東京ライン経由)小金井行普通列車だと思います。



 横浜駅に定刻に停車した「サンライズ瀬戸+サンライズ出雲」はいよいよ終点の東京駅に向けてラストスパートです。

 川崎駅を通過してすぐに多摩川を渡って東京都に入ります。














 東海道本線より内陸部を通る東海道新幹線がオーバークロスして東海道本線こ海側を並行して品川駅構内にさしかかって品川駅を通過します。

 品川駅ホームに停車しているのが見える青い帯の列車は常磐線普通列車のE531系土浦行、そして手前側に停車している白い車体に濃いピンク色の帯の列車は同じく常磐線の特急「ときわ51号」高萩行です。






 次回はこのシリーズの最終回です。