前回までの続きです。

 稲佐の浜〜日御碕〜島根県立古代歴史博物館と回って出雲市駅で駅レンタカーを返却した私たち夫婦は駅南口側にある日帰り温泉施設「らんぷの湯」で入浴、寝台特急「サンライズ出雲」東京行に乗車するため駅に戻りました。楽しかった山陰旅行もいよいよ最終章へと入っていきます。

JR西日本山陰本線出雲市駅北口


 列車の発車時刻が近づいてきたのでホームへと向かいました。


 出雲市駅の西方•••大田市方面にあるJR西日本後藤総合車両所出雲支所に所属する285系特急型電車が車両基地から回送されてきました。



 18時53分•••すっかり日が暮れた出雲市駅を発車しました。


 列車は速度を上げて出雲市街地から離れていきます。

 今回の旅は出雲市多伎町で宿泊したはたご小田温泉や鳥取県三朝町の三朝温泉で宿泊した木屋旅館での心温まるもてなし、訪れた先々での空気にとても満足したものとなりました。それだけに車窓を流れては消えてゆく街あかりに一抹の寂しさを覚えずにいられませんでした。

 昼間倉吉駅から乗車した快速あめつち号で渡った斐伊川を渡りました。

 あめつち号では景色を楽しめるように徐行して渡った斐伊川をサンライズ出雲は軽快に渡りきりました。


 私たち夫婦が乗車したのは東京方先頭車両7号車のクハネ285-3001。動力装置を搭載しない制御車なのでモーター音はせず、台車が刻むレールの継ぎ目のジョイント音だけが車内に響くのが出雲を去る寂しさを更に募らせるような気分にさせます。
帰りもサンライズツインは切符が取れなかったのでシングルで別々の個室で東京まで戻ります。往路のソロよりは少し広いのでそれほど圧迫感は感じません。


 往路はソロの1階でしたが、復路はシングルの2階個室7号車21番•22番です。



 出雲市発車時点で既にそこそこの乗車率だったように思えますが、まだ満室ではなかったので乗車した7号車のまだ空いていた個室や通路を撮影してみました。




 6号車寄り車端部にあるシングルツインの11番個室は上段が補助ベッドとなっている2人で利用が可能な個室です。




 乗務員室側は台車の上に位置するため平屋構造となっており、個室面積はA寝台シングルデラックスやB寝台サンライズツインには及ばないものの天井の高さが高いので開放感があります。

 床下からのジョイント音や揺れを気にしなければ快適な空間であることは間違いなさそうです。


 羨望のまなざしで撮影しました。ただ、この構造となっている部屋は編成中非常に少ないので一人旅ならともかく、2人旅だと別々の車両に乗車することになります(それ以前になかなか切符を確保できないと思いますが•••)。


 2階通路からデッキとの仕切部分を見ます。

 右側に手摺が見える部分に1階への階段があります。


 こちらは階通路から乗務員室側を見た画像です。

 突き当たりは乗務員室との仕切扉です。単独編成の時は開けられませんが、岡山駅で高松駅からやってくる「サンライズ瀬戸」と連結すると双方の貫通扉が開かれて幌もセットされて通り抜けできるようになります。




 最初の停車駅は宍道駅。岡山発出雲市行の下り特急「やくも19号」とすれ違います。



 次の停車駅は島根県の県庁所在地である松江駅。松江駅を発車して二つめの揖屋(いや)駅で運転停車(業務上の停車で旅客扱いは行わない通過駅扱いの停車)します。



 単線区間なので下り列車とのすれ違いかと思ったら何の変化も無いうちに列車は動きだしました。

 しかし、列車は動き出したもののなぜか速度を上げず徐行したままです。

 この辺りの線形などは全く疎い私なので

(まさかトラブルでも起こったんじゃないだろうな•••?)

との思いが脳裏を過ります。

 トラブルが起こって万が一運転打ち切りなんて事態になったら目も当てられません。しかし、それは杞憂に過ぎないことがすぐにわかりました。

 トンネル内ですれ違ったのは岡山発出雲市行特急「やくも21号」。乗車している上り列車からするとひとつ手前の東松江駅から単線区間となるのですが、揖屋駅構内から2kmほどのところの区間は複線となっていてここで上下列車のすれ違いが行われたということです。

 素人考えでは揖屋駅で運転停車していたのだからそのまま停車して下り列車の通過を待っていた方がいいんじゃないの?•••なんて謎が残りますが、何か意味があるのでしょう。

 複線区間が終わって再び単線となった区間を列車は速度を上げていきます。


 次回に続きます。