出雲大社参拝を終えて昼食を出雲そばで軽く済ませてから参道沿いのお店でお土産などを見てまわった後はくにびき海岸道路を日本海に沿って西へ車を走らせてやってきたのがこちらです。訪れたのは2月17日金曜日です。

 全国どこにでもありそうな集落といった風景ですが、ここに宿泊する旅館があります。

 ここは出雲市の西端にあたる旧簸川郡多伎町(ひかわぐんたきちょう)小田というところです。

 多伎町は平成17年(2005年)に出雲市•平田市••簸川郡佐田町(さだちょう)•湖陵町(こりょうちょう)•大社町(たいしゃまち)と合併して出雲市となりました。


 「はたご小田温泉」に宿泊します。

 すぐ近くをJR西日本山陰本線が通ります。


 元は料亭だったというこの旅館は部屋数がわずか6部屋だけという小さな旅館です。母ちゃんがネットで見つけて

「ここがいいよう♪」

と言うのでwebで予約しました(予約はwebのみで扱っており、旅行会社などでは扱っていません)。


 私たち夫婦はリゾート感満載で過剰サービスが付いてくる大規模ホテルよりも静かに寛げる小さな旅館の方が好みです。この旅館のホームページを見て自分たち好みに思えたので予約して訪れたのです。

 玄関の引き戸を開けると可愛らしい雛人形が迎えてくれました。


 この雰囲気は7年前に宿泊した秋田県大仙市の強首(こわくび)温泉の樅峰苑を思い出します。思い返せば樅峰苑も長閑な田園地帯の集落にある凡そ温泉街の光景とはかけ離れたところでした。

 樅峰苑のご主人はとても温かな純朴な方でしたから、旅館の「顔」である玄関のこの雰囲気にご主人や女将さんの「こころ」が伝わってくるようで期待が膨らみます(実際に出迎えてくれた女将さんのお人柄は素晴らしいものでした)。


 私たちが予約した部屋は「菊乃間」です。


「菊乃間」はこの旅館の6室あるうちで7.5帖という一番狭い部屋です。

 他にもっと広い部屋があるのですが、この部屋をあえて選んだ理由がありました。

 その理由のひとつは、この部屋は玄関を入ってすぐのところにあるのですが、この部屋だけが唯一他の部屋から離れていて隣り合わせに部屋が並んでいないこと。


 そして部屋から庭が眺められること。



 そしてもうひとつの理由は•••。

 この「はたご小田温泉」のHPの案内にはこの宿には「座敷わらしが現れるかもしれません」と述べられていて、この「菊乃間」が現れる確率がいちばん高いのだとか•••。

 実はこの宿に決める前にJTBでプランの相談をしていていったん玉造温泉の旅館を予約したのです。しかし、その後母ちゃんに確認したら玉造温泉ではなく

「出雲市の『はたご小田温泉』ってところに泊ってみたいんだよう‼️」

と言うので、

(6室しかないのに予約取れるかなぁ?)

と、webで予約してみたところ運良く予約が取れたのでした。もちろん玉造温泉はキャンセル。もしかしたら座敷わらしに導かれたのかもしれませんね。


 そして•••女将さんに部屋に通されてお話しをいろいろとしていたらなんとこの日の宿泊客は私たち夫婦だけとのことでした。翌日以降は週末ということもあって満室だったようですが、これも樅峰苑に泊まったときに前日までは連休で満室だったのに私たちが泊まったときは他に誰もいない貸切状態だったのと同じです。






 それほど広くないお風呂ですが「貸切」ですからまったく問題なしです。ゆったりと疲れを癒すことができました。


 こちらの旅館のご主人は現在4代目。先代(女将さんのご両親)だったか先々代だったかのご主人が陶芸などもされていたとかで、部屋やお風呂にも手作りの陶芸作品が至るところにはめ込まれているのが楽しい。部屋を見回すと上に設置されているエアコンのコンセントなども陶器だったりしますし、ティッシュペーパーの箱や襖などにも陶器が使われています。




 建物自体は新しくありませんが、きれいに掃除されていて、こちらの旅館ではスリッパすら不要で用意されていません。

(ふるさとの実家に帰ってきたような•••)

安らぎに包まれます。

 リゾートホテルや有名旅館のような至れり尽くせりという宿を求める方にはお薦めできませんが、私たち夫婦のような

(静かな時間をゆっくり過ごしたい)

という方にはぜひ訪れていただきたい宿です。


 この日は宿泊客はいなかったものの、奥の料亭にはどこかの会社の団体客の予約が入っているとかで夕食の部屋はそちらとは少し離れた個室に案内してくれるとのことでした。

 元は料亭だったという「はたご小田温泉」、夕食の時間が楽しみです。

 次回に続きます。