
「父ちゃん、今回の『母ちゃんクイズ』はこの天狗さんの名前を当てていただこうという趣旨の問題だったが解答状況はどうだえ?」
「22時現在で0件だよ」
「出題時点で『日本八天狗のひとり』とか『このばしょにはもういない』とまでヒントを出しているのにかえ?」
「そんなものだよ」
「なんだえ?その投げやりな物言いは…」
「いや、難しいんだよきっと…」
「父ちゃん、我が国には数多くの天狗にまつわる伝承が多いが、ちょいと我が国において八天狗と称されるものを抜粋しな❗」
①愛宕山太郎坊
(あたごさんたろうぼう)
山城(京都府)の愛宕山に住む天狗。日を司る我が国天狗界の最高峰に君臨していると伝わります。
②鞍馬山僧正坊
(くらまやまそうじょうぼう)
山城(京都府)の鞍馬山に住む天狗。鞍馬天狗として名高く、鞍馬山に入れられていた牛若丸(後の源義経)に武術・呪法・兵法を授けたと伝わります。
③比良山次郎坊
(ひらさんじろうぼう)
近江(滋賀県)の比良山に住む大天狗。元々は比叡山に住んでいたらしいのですが、比叡山延暦寺が勢力を増して僧侶が増えたことから比良山に移り住んだそうです。
④飯綱三郎
(いいづなさぶろう)
信濃(長野県)の飯縄(飯綱)山に住んでいるが、飯縄権現は東京の高尾山薬王院や千葉県の鹿野山神野寺、飯綱寺、栃木県の日光山輪王寺などとくに関東以北で信仰が厚く、上杉謙信や武田信玄、徳川家康なども信仰していた軍神でもあります。
⑤白峰相模坊
(しらみねさがみぼう)
相模(神奈川県西部)の大山(おおやま)に住んでいたが、保元の乱で敗れて讃岐(香川県)に流されて非業の死を遂げた崇徳上皇の霊を鎮めるために讃岐へ移り住んだ天狗です。
⑥相模大山伯耆坊
(さがみだいせんほうきぼう)
伯耆(鳥取県西部)大山(だいせん)の天狗でしたが、白峰相模坊が讃岐へ移ったため後任として移ってきたとされています。
⑦大峯前鬼坊
(おおみねぜんきぼう)
大和(奈良県)生駒山の天狗で、妻の後鬼坊とともに修験道の祖である役小角(えんのおづぬ)に師事して全国を回ったとされる天狗です。
⑧彦山豊前坊
(ひこさんぶぜんぼう)
豊前(福岡県・大分県)の英彦山に住む天狗で、天照大神の長男・天忍穂耳尊(アメノオシホミミ)の天降った姿と伝えられる九州を統括する天狗です。
「ほう、調べたのう❗」
「これ以上は勘弁してくれよ」
「この8人から選べばいいですからね。もう少し頑張って考えてみてくださいよう❗」