JR東日本篠ノ井線冠着トンネルは明治33年(1900年)に篠ノ井線の篠ノ井~西条間の開通とともに使用が開始されたトンネル。篠ノ井線の最高地点に位置し、一直線となっている。
特急「(ワイドビュー)しなの」に使用されているJR東海383系の長野方先頭車に連結されているグリーン車クロ383からの前面展望でながめていると、直線構造なので全長2,656mのトンネルの出口が見えているのになかなかトンネルが終わらないという楽しさがある。
現代でこそこのトンネルの長さはそれほどのものではないのかもしれないが、開通時は3年後に中央本線の笹子トンネル(山梨県)が開通するまでは国内で一番長いトンネルだったそうだ。
トンネルは松本側から見ると筑北村から千曲市に跨がっており、動画の下り列車の場合トンネルを抜けると千曲市に入ることになる。
トンネルを抜けると25‰(パーミル)の急な下り勾配が続くため列車は速度を落として走行する。
車掌による車内放送で日本三大車窓のひとつに数えられている姨捨の説明が流れると、ほどなくスイッチバック式の駅となっている姨捨駅を進行方向左上に見て通過する。
この駅に停車する列車は松本方面からの下り列車は姨捨駅にそのまま進入して駅に到着、出発するときにはバックして本線を渡って動画右側に見える引き込み線に入り、再び元の向きになって本線に入って勾配を下ってゆく。上り列車は本線から一旦引き込み線に入ってバックで本線を渡って駅に進入する。そして駅を発車するとそのまま本線へ合流して勾配を登ってゆく。
特急列車は停まらない小さな駅だが、JR東日本の豪華列車「TRAIN SUITE 四季島」が、篠ノ井線を通る設定のコースにおいて姨捨駅に停車する。
姨捨付近の車窓は山を下る列車の車窓(長野へ向かう下り列車なら進行方向左側)からは眼下に広がる善光寺平を流れる千曲川、そして棚田の風景を楽しむことができるが、今回は前面展望の動画のみなのでそちらは撮影していない。


次回に続きます。