特急「(ワイドビュー)しなの13号」木曽福島駅を発車。

 複線区間ということもあり、急な曲線が連続する中央本線を振子式電車は快調に飛ばすのはこの車両ならではの前面展望である。


 JR東海というイメージはコーポレートカラーのオレンジや東海道新幹線や東海道本線などに代表されるように「陽光を浴びて太平洋沿岸部を走る路線」がイメージされるのだが、エリアには長野県南部や岐阜県などの内陸部も広く含まれていて山岳路線も多く存在する。
 速度を落としているのはこの先で単線区間となるからである。


 木曽福島駅の次は原野駅。ここから単線となるのだが、ダイヤ上ここで対向列車の特急「(ワイドビュー)しなの14号」名古屋行とのすれ違いのため運転停車する。
 運転停車とは時刻表の上では客扱いを行わない通過駅扱い。単線区間における列車の行き違いのためや乗務員の交代のための停車などがある。以前であれば夜行列車において有効時間から外れる深夜にかなりの区間をすべて通過する列車があったが、実際は機関士・運転士の交代や当時の国鉄で扱っていた荷物や新聞の積み降ろしなどで客扱いを行わない停車駅があった。代表的なのは東京駅を18時に出発していた東海道・山陽・日豊本線経由西鹿児島(現・鹿児島中央)行の下り寝台特急「富士」で、時刻表では名古屋駅を出ると次の停車駅は広島県の福山駅。最も通過区間の距離が長い列車として当時のクイズ番組で取り上げられるほどだったが、実際は前述したように大阪駅や岡山駅で運転停車があって乗務員の交代などが行われていた。
 国鉄分割民営化以後もこのような形態は分割されたJR旅客会社の境界駅など一部の夜行列車などで見られていたが、夜行列車の廃止などで乗務員交代のための運転停車は見られなくなった。
 北陸新幹線にはJR東日本JR西日本の境界駅となる新潟県の上越妙高駅があって通過タイプの「かがやき」は通過するが、この場合運転停車は行わず、すべての列車が停車するJR東日本側の長野駅までJR西日本の乗務員が乗り入れて運転・車掌業務を行っている。
 さて、ここで前回の母ちゃんクイズの正解発表となります。



 出題したのはこの画像でした。
 今回アップした動画のうちの最後の動画の停止画像でした。つまり正解は原野駅ということになります。
 このクイズのシーンはまだアップしていなかったこと、そして次に「(ワイドビュー)しなの」とすれ違う駅を時刻表片手に推理していただくという、いわばスキー初心者にいきなりラージヒルジャンプを強要するという拷問に近いクイズでございましたから解答者ゼロでした。