温泉ザルといえばすぐに思い浮かぶのが長野県山ノ内町の地獄谷野猿公苑。
北信濃の志賀高原の麓に位置するこの温泉は湯田中渋温泉郷の南部にあり野生のサルが多く生息していますが、一躍有名になったのはタイム誌で雪中の温泉に浸かる野生のニホンザルの姿の写真が「Snow Monkey」として世界中に紹介されてからでしょうか…。たしかに微笑ましい光景です。
ここを訪れたのはかなり前のことで、画像が残っていないのですが、現在では海外からの観光客も多いとか…。
サル、シカ、クマ…とかく害獣扱いされている報道が目立ちますが、そのほとんどは人間が原因であるもの。我が国の林業の衰退や異常気象により山が荒れてしまっていることもありますが、無節操なリゾート開発や宅地開発…廃墟と化したリゾート施設がどれほどあることか…。そのおかげで生息域を奪われた彼らが人里に現れることは当然のこと。
シカの保護はいいが、その天敵を絶滅させて生態系のバランスを崩してしまったのも人間。
昔から災害に見舞われることが多くて人が住まなかった土地をさらにズタズタに切り開いて新興住宅地として過去の歴史を隠すように地名まで変えてしまう…そのしっぺ返しを受けてもなおかつ「自然」に責任転嫁してしまう節操のなさ…。
地獄谷野猿公苑は野生のニホンザルが過ごしていますが、ここを訪れる観光客のために最低限の人の手は入っています。
もちろんエサやりなど禁止されていますが、それが理解できない頭脳の持ち主が訪れないことを祈るだけです。
日光や軽井沢の野生のサルがなぜ暴徒化したのかといえば人間に原因があったから…。知床のヒグマもそうですよね。
自然の中に割り込む以上、そこに生息する動物たちを害獣としないようにそっと見守っていてあげるだけにしてほしいと思います。
