年を跨いでのシリーズとなってしまいますが、あと数回お付き合いください。
牟礼駅を発車した列車はさらに勾配を下って善光寺平へと向かいます。
列車が進む方向とは逆に善光寺平から信越国境に向かえば昔から「一里一尺」と伝えられるほど急激に積雪が深くなるこのあたり…列車が進むにつれて車窓の雪景色の様子も変化していきます。
少年時代から成人してしばらくのあいだは国鉄信越本線だったこの路線…国鉄分割民営化によりJR東日本信越本線となっても長野駅まで新幹線が開通するまでは東京の上野駅から直通の優等列車が多く走っていました。
国鉄時代からJR時代にかけて特急「あさま」「白山」や急行「妙高」には親戚のところへ行くときにずいぶんお世話になったものです。
このあたりは単線なので牟礼駅は通過扱いである優等列車でも対向列車との行き違いのためによく牟礼駅には客扱いをしない運転停車が設定されていました。
豊野駅を通過して善光寺平から離れて鳥居川に沿って山岳路線となる車窓の変化に(着いた…)という気分になり、東京に戻るときは名残惜しいような感傷に浸ったものでした。
善光寺平へ下りきると進行方向左側の車窓には飯山線の線路が近づいてきてそのまま豊野駅へと並走していきます。
しばらく並走して豊野駅に至ります。
豊野駅構内には電留線があって、JRとなってからは遠く関西方面からの臨時列車が夏は急行「シャレ-軽井沢」、冬は急行「シュプール妙高・志賀」として夜行で北陸本線経由でやってきたJR西日本の特急型車両583系や485系が休んでいました。
現在ではJRとなって30年以上が経過し、JR各社の保安装置も異なるものとなったり新幹線の拡充やそれに伴う並行在来線の第三セクター化もあって当時のワクワク感を味わうことはないことでしょう。
次回は善光寺平をゆく車窓です。