前回の続きです。
 北陸新幹線上越妙高駅までやってきてえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに乗り換えました。
 妙高はねうまラインJR東日本信越本線が北陸新幹線金沢開業により並行在来線という位置付けで第三セクター化された路線です。
 車両はJR東日本新潟支社管内のローカル列車として走っていたE127系を購入、ET127系として運用されています。
 前回の記事で述べましたが、今回はたまたま国鉄時代の新潟ローカル色を復刻したラッピング車両に乗車することができました。
 車内はとくに旧型電車風に復刻されておらず、普段通りの内装です。
 製造時期から内装の仕様はかつて首都圏の京浜東北線を走っていた209系などで採用されていた川崎重工製造タイプです。

 新井駅に停車中の様子です。
 この日は日本海側を中心に大雪で、朝のニュースでは太平洋側の東海地方でも積雪している様子が流れていました。

 新井駅の次は現在でもスイッチバックが残る駅として人気の二本木駅です。
 降りしきる雪で視界は真っ白ですが、二本木駅到着シーンを動画で撮影してみました。
 直江津方面から妙高高原方面へと向かう上り列車では本線から一旦スイッチバックのための引き込み線に入り停止後、後退して本線を渡って二本木駅へと到着します。発車後はそのまま本線に入っていきます。
 下り列車は本線からそのまま二本木駅に進入、到着後は後退して本線を渡って引き込み線に入り、再び進行方向に向きを変えて本線に入っていきます。
 引き込み線の雪囲いは大正11年(1922年)築で令和元年(2019年)9月10日に国登録有形文化財に指定されています。
 それでは二本木駅にスイッチバックで到着する様子をご覧ください。








 駅構内にあるレンガ造りの油庫(ランプ小屋)。
 新潟県内ではこの二本木駅と信越本線の三条駅、磐越西線の馬下駅の3箇所に残る貴重な建造物となっています。こちらも雪囲いと同時に登録有形文化財に指定されています。
 二本木駅は駅舎もホームも古く、歴史的価値の高い建造物の宝庫と言ってもよく、何度も訪れています。
 妙高はねうまラインが通るこのあたりは冬期は日本海からの北西の季節風が長野県境にかけてもろに吹き付ける斜面であり、人が日常的に生活している地域としては世界有数の豪雪地帯です。
 今シーズンの積雪はどのくらいになるのかわかりませんが、地球温暖化で昔に比べると雪の量は少なくなっているとはいえ豪雪地帯であることに変わりはありません。

 二本木駅を発車すると関山駅までの区間は西側の車窓には天気に恵まれれば秀麗な妙高山系の山々を眺められるのですが、この天気では…真っ白で何も見えません。


 関山駅にて。
 扉が開くと車体に付着した雪が車内に崩れ落ちてきます。

 アクシデントが発生したのはこの関山駅を発車するときのことでした。
 発車直後「ガタン」という衝撃とともに列車が停止しました。
 運転士さんが無線で指令とやり取りを始めます。
「ただいま関山駅を発車して10mくらいのところで1・2・3ノッチでユニットがダウンしました」
 指令との緊迫したやり取りをしながらヒーターを切ったりして何度も列車の発進を試みますがすぐにユニットがダウンして止まってしまいます。
 車掌さんも駆けつけてきていろいろと試しています。
「後ろでも無茶苦茶バチバチいってますよ」
 
 このままでは運転打ち切りになってしまうという不安が頭を過ります。

 運転士さんの懸命の操作の甲斐あってか、15分ほどしてゆっくりと列車は動き出しました。
 しかし、この先の妙高高原駅までは勾配はますます急になり、積雪も深くなります。
 乗客の不安を乗せて列車はやがて40km/hくらいまで速度を上げましたが、そのまま徐行で進んでいきます。
 線路もほとんど見えません。

 ちなみに下の画像はおそらく年間のうち一番景色がいいであろう信越国境が遅い春を迎えた時期の車窓です。

 妙高市の大谷地区あたりの動画です。ここから深い山あいに入っていきます。
 何とか無事に終点の妙高高原駅に到着しました。

 20分ほどの遅延で接続するしなの鉄道北しなの線の列車には間に合いませんでしたが、次の北しなのの列車まで40分ほどで乗り継げるのでまだよかったです。


 次回は北しなの線での模様となります。




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