何色の家に住みたい?

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 木の色

(このような古い日本家屋は落ち着くものだな。やはり日本人だな。このような家に住みたいものだ)
 おれはそんなことを考えていた。
 すると…。
(さほどにこのようなところに住みたいのか?ならばその想いを叶えてやろう)
という声がどこかから聞こえてきた。
 すると、何かの強い力にに引き寄せられるようにおれの足が勝手に深い木立へ向かって歩き始めた。
(北国街道だと…?)
(な、なんだ?関所があるぞ)

(そうか…こういう観光施設があったんだな)

 すると足が勝手にエントランスに歩み始めたかと思うと手が勝手にポケットから財布を取り出して入館券を購入してしまった。
(おい、勝手なことをするんじゃない❗)
と、手足を叱りつけたが時すでに遅し…。
 仕方なくおれは館内を見学することにした。

(ふむふむ…)
おれは解ったかのような顔をして展示物を見て回った。
 館内にはクイズコーナーもいくつかあって、全問正解したおれはエントランスの受付にその旨を伝えると博士号をもらって認定証を受け取った。
 敷地内には江戸時代ここにあった関所を復元した施設があって、おれはそちらへも回ってみた。
(ほう、なかなかよく出来ているものだな)

「これ、そこの者…手形を此方に見せませい❗

(なんだ…エキストラか?なかなかなりきっているじゃないか…)
 おれは少し楽しくなってきた。
(手形?あ、入館券のことか…)
「はッ…こちらにございます」
 おれも調子を合わせて「通行手形」と書かれている入館券を取り出した。
「何じゃそれは?そのほう、我らのお役目を愚弄するかッ❗」
大音声がおれの頭上に雷の如く響き渡った。

「誰かおるか❗関所破りじゃ。引っ捕らえい❗」
 すると、屈強そうな若い男が二人出てきておれの両腕を掴んだかと思うと、おれは羽交締めにされてしまった。
(な、なんだなんだ…これも演出か?)
と、おれは一瞬思ったが何か様子がおかしい。
 もしかしておれはタイムトラベルをしてしまっているというのか?
 だとしたら大変だ。どうすれば現代に戻れるというのだ?

 羽交締めにされたままおれはこの屋敷の奥へと引きずり込まれた。牢屋へ入れられてしまうのか?

 そして連れ込まれた先は牢屋ではなかったが、座敷に老婆がひとり待ち構えていた。
「ふぉっふおっふぉ…来たのう…」
(ん…?この声はさっきおれに『さほどに住みたければその夢を叶えてやろう』と聞こえたあの声じゃないか)
 おれは背筋が冷たくなるのを感じた。

「願いが叶ったのう…今日はな、「いいいろの日」じゃ。たっぷりと可愛がってあげるわえ🎵」

「ひい…アセアセ
「ふぉっふぉっふおっ🎵わらわのな…アレな、まだまだいい色をしておるぞよ🎵」

(ひょえ~\(゜o゜;)/)

「だから…な、な…🎵」

 何が「な、な…🎵」なのだ。この老婆の言わんとしていることは十分すぎるほど理解できた。

「やめてくれ❗気味悪い…」

「なにも恥じらうことはないではないか…このような家に住みたいと申していたではないか?」
 ニタリと不気味な笑みを浮かべて婆さん…おれに擦り寄ってきた。

「夏とはいえ…このような山奥じゃ。夜は冷えるのじゃ…わらわを温めておくれ🎵」
 老婆はおれの服を脱がせたかと思うと自らも…。

注意あれ~タラー

「ふふふ…きゃつめ、見事に婆(ばば)の毒牙にかかったのう…」

「あの婆はあちらのほうにかけてはまったく衰えを知らぬのだ」

「夜な夜な寝床に忍び込んでこられておぬしは閉口しておったものな…」

「ああ、たまったものではない❗」
「おぬし…痩せたな」
「あたりまえだ」

 この二人の役人の会話などつゆ知らず…おれはさんざんに老婆に弄ばれたあと隙をみて脱出した。

 そして沢に沿った山道をなんとか逃げ延びて山のいで湯で汚れた身体を癒したのであった…。


どの色に乗りたい?