気合を入れないと掃除できない場所は?

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 コロナ禍になる前だからもう2年以上経ちますが、わたらせ渓谷鐵道に乗車したときに、ワンマン乗務の運転士さんが桐生駅と間藤駅でそれぞれ折り返しのときに乗客がいないところを見計らって車内を掃き掃除する姿を見たことがあります。

 鉄道を…というより職場を愛し、仕事に気を引き締めて臨む姿勢を感じられてますますわ鉄が好きになったことは言うまでもありません。
 自分が長いあいだ長距離トラックに乗務していたから、自分の手足となってくれる車両を美しく扱う気持ちがとてもよくわかるし、ひしひしと伝わってくるのです。
 鉄道車両だってトラックだってバスだって…会社を出発してしまえば一国一城の主です。乗客や荷主に対する責任を一身に背負うわけですから、大切な商売道具であり相棒である車両を心に掛ける姿勢を見ていて「好ましい」と思うのではなく、共感を覚えるのです。

 その運転士さんは先日アップした記事の「母ちゃんクイズ(動画編)」第2問として貼り付けた動画のときに列車を運転されていた方です。

 あれは間藤駅から桐生駅へ向かう上り列車て、私の他には途中の通洞駅などから乗車してきた年配の旅行者ばかりで、前面展望としてはこの路線の一番のハイライトとなる沢入(そうり)駅~神戸(ごうど)駅間の草木湖を跨ぐ橋梁の走行シーンで誰も席を立って前面を眺めようとされる方がいなかったので、運転士さんの視界に入らないように後方に立ってスマホを構えたのです。
 すると、
「私は気にならないからどうぞ遠慮せずにもっと前に出て撮影してください」と、言ってくださったのです。
 それでも気持ち少しだけ前に身体を乗り出している私に
「どうぞどうぞ、もっと前に出ていただいて構いませんから…ぜひ楽しんでください」
と、言ってくださいました。

 あの乗務員さんの私に対する心遣いには個人的にはもちろん感謝の気持ちで一杯ですが、その心遣いが社内的にに「是」「非」どちらかなのかは部外者である私にはわかりません。
 大間々駅で下車したときにちょうど乗務員交代でその運転士さんも乗務員室から降りてこられたので「さきほどはありがとうございました」
と、一言だけお礼の言葉をかけると軽く笑みを浮かべて会釈してすぐに「自分が取るべき行動」へと移っていきました。

 その運転士さんに限らないのですが、間藤駅構内のジュースの自販機横の空き缶入れから空容器を取り出して大きなゴミ袋に入れて持ち帰っている…ということは大間々にある自社の車両基地に持ち帰るのでしょうが、伝わってくるんです。
「誰かがやってくれるんじゃない。すべて自分たちでやるんだ」
という気概が…。


 もちろんJRや大都市圏の大手紙鉄は事情が全く違うから乗務員がこのようなことをできるものではない。しかし、廃線がほぼ決まっていた国鉄赤字ローカル線を継承して企業のイメージアップに繋げようとする姿勢は時間はかかるかもしれないが必ず成果として表れるものと思います。その姿に私はわたらせ渓谷鐵道気合を感じています。