東京からの新幹線網がほぼ拡充した現在、JR東日本の在来線特急列車で東京から出る列車は伊豆方面への「踊り子」系統、湘南地区へ新設された「湘南」、房総方面への「さざなみ」「わかしお」「しおさい」、成田空港へのアクセス特急「成田エクスプレス」、高崎線系統の「草津」「あかぎ」系統というように比較的短距離・中距離の列車が目立ちますが、中央本線の「あずさ」と常磐線の「ひたち」は国鉄時代を含めても現在では歴史が長く、東京から出る列車としては運行距離も長い列車です。


 中央本線のE353系特急「あずさ」。新宿にて。


 かつてのようにかなり長距離を走る列車が発着していた頃に比べれば寂しいものですが、、「あずさ」「ひたち」はもはや東京から地方へと向かう特急列車としては「伝統の特急列車」と呼んでも差し支えないほどの歴史を刻み続けてきました。


 東京の新宿駅をメインに一部は千葉駅などから中央本線を西へ向かう「あずさ」と上野東京ライン開業後はそれまでの上野駅始発は少なくなって品川駅始発で北へ向かう「ひたち」

 常磐線のE657系特急「ひたち」。上野にて。


 走る方面も車両も異なりますが、共通するのは新幹線の開業にはあまり影響を受けてこなかったことと、高速道路とのシェア争いを激しく演じていること。そして運転本数も多いということになるでしょう。


「あずさ」は新宿駅を毎時ジャスト発、「ひたち」も上野駅を毎時ジャスト発の伝統を守り、毎時30分には「かいじ」「ときわ」と、それぞれ停車駅が多くて運転区間も短い列車が補完しています。


 今回のシリーズはそんなふたつの列車のターミナルである新宿駅と上野駅の発車風景を車内から撮影した車窓の様子を動画を交えながらアップしようと思います。

 なお、「あずさ」の方は過去記事でもアップしていますが、「ひたち」は今回が初めてのアップとなります。両列車の動画を交互に貼り付けてあるので見比べてみてください。それぞれの動画の撮影時間が異なるので、「あずさ」の方が短めに編集してあります。


 まず「あずさ17号」が新宿駅を出発するところから…。この17号は停車駅が最も少ない通過タイプ。他の「あずさ」より停車駅は絞られており、新宿を出ると八王子・甲府・茅野のみ停車です。
 こちらは「ひたち5号」の上野駅発車の様子。
 上野東京ライン開業後は運転区間が延びて東京駅経由で品川駅を始発・終着駅とする列車がほとんどとなりましたが、この5号を含めて一部の列車は上野駅始発で地平ホームから発車します(品川発着列車は上野駅では高架ホーム発着となります)。


 中央本線は新宿駅を北へ向かって出たら西へカーブを描いて山手線と分かれていきます。

 常磐線の列車は上野駅構内を出ると東北・高崎線系統とは異なる線路を通ります。そのため、古くは東北本線の特急「ひばり」と、東北新幹線開業後は信越本線の特急「あさま」との毎時ジャスト発の並走シーンが展開されていました。

 中央本線は御茶ノ水~三鷹間が復々線区間で、常磐線は上野から北千住までが複線、北千住を出ると東京メトロ千代田線から続く常磐緩行線と取手まで複々線区間となります。

 上野~日暮里間は京浜東北線・山手線・東北本線と高崎線・そして常磐線の線路が並行しており圧巻の風景となっています。なお、東北・高崎線には日暮里駅が無いので列車は停まりません。なお、この動画の終わりの方で頭上を交差して通過するのは京成電鉄の看板特急「スカイライナー」です。

 次回に続きます。