
東京駅にて。185系特急「踊り子」が発車時刻を待っていたのでちょっと撮ってみました。

185系は一時期新前橋電車区の200番台がグリーン帯からさまざまな塗装変更を施されていましたが、旧田町電車区の廃止、田町に配置されていた基本番台とともに大宮総合車両センターに集約されて基本番台同様のストライプに統一されています。
国鉄時代に老朽化した153系の代替として、さらに153系を使用した伊豆方面への急行「伊豆」の特急格上げに伴って登場した形式です。
普通列車にも使用できるよう乗降口の幅を広げ、シートはリクライニング機能のない転換クロスシートでデビューしたときは特急型車両としてはあまりにも安っぽく感じられて好きになれなかった車両でした。
特急型電車といえば151系以来の高い位置に運転台を持つスタイルが固定観念にあったということもあるでしょうし、少し前に関西で新快速で使用されていた153系置き換え用にデビューした117系風のマスクには正直特急型電車としては格落ち感を感じていたものです。急行型としてデビューしていたらまた違った評価もできたかもしれません。
しかし、デビュー当時の大胆なストライプ帯は斬新に感じたのも事実です。
さて、この日の目的地はこの「踊り子」号が向かう伊豆ではなく、反対方向の千葉県の銚子駅。

地下の総武本線ホームへ下りて255系特急「しおさい」に乗車します。


房総方面への特急列車登場は房総西線(現在の内房線)と房総東線(現在の外房線)電化完成に伴って新型の183系特急型電車によって運転が開始された内房線の「さざなみ」、外房線の「わかしお」に始まります。その後は総武本線と成田線、鹿島線の電化完成により「しおさい」が銚子へ、「あやめ」が鹿島神宮へ向かう特急列車として設定されました。
のちにかつての総武本線の列車が始発駅としていた両国駅から銚子駅へ成田線経由で向かう「すいごう」も設定されましたが、こちらは短命に終わっています。
房総方面の特急列車は走行距離が短いわりには停車駅も多くて、他の主要幹線の急行列車だってこんなに停車駅はないだろうと言いたくなるほどで、かなり悪い評価を受けていました。
のちに全国的に行われた急行列車の特急格上げ施策により目立たなくなった感はありましたが…。

当初は幕張電車区の183系基本番台ばかりでしたが、上越新幹線や北陸新幹線の開業により廃止となった特急「とき」「あさま」用の183系1000番台や189系も転入、さらに中央本線の特急「あずさ」へのE351系導入による玉突きで幕張にやってきた車両も含めて183・189系シリーズが勢揃いした感がありましたが、まもなくデビューした255系やE257系に置き換えられました。
