前回からの続きです。

 福島駅付近ではほとんど積雪がなかった車窓の風景も山あいに入るにつれてみるみる積雪が深くなってゆくのがわかります。
 山形新幹線といっても、福島駅からは正式には在来線のJR東日本・奥羽本線であり、在来線の狭軌から標準軌に造り替えた路線。秋田新幹線の田沢湖線や奥羽本線(大曲~秋田間)と同様、在来線特急列車に乗車している感じを楽しめます。

 構内にスイッチバック駅だった名残をとどめる板谷駅を通過します。
 現在の板谷駅は頑丈な鉄骨造りのスノーシェッドを備えた駅に生まれ変わっています。
 このような雪囲いが残るスイッチバック駅は新潟県の旧信越本線(現・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン)の二本木駅にも見られ、豪雪地帯の駅らしさが醸し出されていますが、二本木駅は周囲に住宅が並び、日本曹達の大きな工場もあるので通勤時間帯には乗降客も多く見られるのに対し、板谷駅の方が山奥の秘境駅っぽくて風情を感じます。