北陸新幹線は東京から長野を通って日本海側に出て金沢経由で大阪へ至るルートですが、現在開業しているのは東京~長野~金沢間です。そのうち東京駅から群馬県の高崎駅までが上越新幹線、高崎~長野を通って新潟県の上越妙高駅までがJR東日本、その先の金沢駅までがJR西日本の管理です。

 北陸新幹線の列車に乗車すると座席の背面ポケットにJR東日本「トランヴェール」JR西日本「西Navi北陸」という「お持ち帰り自由」の冊子が入っており、これが北陸新幹線乗車時の楽しみのひとつとなっています(ちなみに東北新幹線系統はもちろん、上越新幹線の列車には西Navi北陸はセットされていません。しかし、上越新幹線もDE7系が近年走っているのでこちらは未確認)。

 今月号の特集はトランヴェール「戦国の雄 上杉謙信・景勝を支えた揚北衆」西Navi北陸「うまいそばは福井にあり!」です。
 北陸新幹線の上越妙高駅は新潟県上越市にあり、上越市といえば戦国の雄・上杉謙信、謙信没後跡を継いだ上杉景勝が居城とした春日山城があるところです。
 春日山は豊臣秀吉が東海から関東に移した徳川家康を背後から牽制させるために会津へ景勝を移すまでの上杉氏の本拠地でした。
 揚北(あがきた)衆とは現代の福島県会津地方から新潟市へと流れて日本海に注ぐ阿賀野川の北側、つまり新潟県下越地方から山形県庄内地方の一部の荘園を領地としていた豪族たちです。

 上杉謙信は確かに戦国時代における英雄であったことは間違いありませんが、意外なことに彼の存命中は越後一国は内乱が続き、平定されるのは景勝の代になってからです。
 上杉謙信は甲斐の武田信玄や相模の北条氏康と度重なる戦火を交えており、信濃や関東に何度も遠征を繰り返していました。そのためには北越後の揚北衆を懐柔することは命題であり、そのためにこれらの豪族にかなり気を遣っています。
 当初は謙信に反抗していた揚北衆への懐柔が成功したからこそ越後の英雄となり得たことは間違いないでしょう。


 越前そばは有名で、私も福井県を観光する機会があればぜひ味わってみたいものです。
 信州そばや越後のへぎそばは味わう機会が多くても、なかなか福井県を訪れる機会に恵まれなくて残念です。
 時間をかけて京都から滋賀県の歴史の文化に触れて北陸へ抜けて越前一乗谷の朝倉氏の遺構や金沢の加賀百万石の文化、そして越中、越後へと抜けて春日山へ…そんな旅をしてみたいというのが夢です。

 関係ないけれど…本日の酒肴は「鮭の白子の唐揚げ」でございます。