前回撮影した場所からさらに車を走らせた向かった場所は…。

 しなの鉄道北しなの線のポピュラーな撮影地というわけではありませんが、私はこの場所が好きなのです。

 たとえば黒姫山をバックにした古間駅と黒姫駅の間の国道18号線からの写真や、やはり国道18号線からの写真で黒姫駅と妙高高原駅の間の信越大橋から撮影したもの、牟礼駅と古間駅の間の鳥居川沿いのいかにも山岳路線的な写真が華やかな衣装を纏った姿だとすると、私にとってこの場所は沿線の地域の生活の匂いが感じられる「普段着」の信越本線~しなの鉄道なのです。
 前者は多くの鉄道趣味誌や旅行雑誌に国鉄からJR東日本時代の信越本線のときから掲載されたりしているのでご存知の方も多いでしょうが、この場所は飯縄山も黒姫山も妙高山も手前の里山に遮られてしまって画としては面白味に欠けるのは否めないのは事実です。
 しかし、画像左側に見える踏切の先には神社の鳥居があったり、鳥居の右側には東信や北信地方でよく見られるような形の古い蔵があったりして、角度を変えてこれを絡めて撮影するのも好きなのです。

 私の背後からやってきた列車は長野から妙高高原へ向かう普通列車。
 列車自体は黒く潰れてしまった画像で、スマホでの撮影なので列車のスピードに負けてしまっているのですが、「里の夕暮れ」といった感じが気に入っています。
 国鉄時代のオリジナルカラーやJRになってからの旧長野色、新長野色、台湾鉄道との姉妹鉄道提携記念として施された台湾の「自強号」カラー、そしてしなの鉄道オリジナルカラーと、さまざまなバリエーションが存在するしなの鉄道の115系ですが、この時やってきたのはJR東日本時代初期の頃に存在したコカ・コーラ電車
 JR時代には正真正銘の広告電車として施されたこのカラーですが、しなの鉄道が復刻するにあたってコカ・コーラ社の許諾を得て施されたのだとか…。
 国鉄時代に大量に製造された115系ですが、長野や新潟に新製配置されたのはおもに耐寒耐雪装備を強化した1000番台。
 国鉄・長野運転所~JR東日本・長野総合車両センター時代には新幹線開業により碓氷峠が廃止されるまで高崎まで姿を見せていたコカ・コーラ電車。
 復刻版の方はかつてのカラーより赤が明るいものとなっていたりして当時を知る者としてはちょっと違和感がありますが、夕暮れ時の撮影で車体が黒く潰れてしまっているので却って往時のカラーっぽく見えるかなと思います。