第17回 世界バレエフェスティバル 2024 Bプロ | 甘ずっぱい蜜の部屋

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第17回 世界バレエフェスティバル 2024 Bプロ

 

東京文化会館 ホワイエ

東京文化会館 大ホールホワイエ

 

Bプロ アレジメント

 

AプロとBプロでは 豪華アレジメントのお花が変わってたみたい。

 

Bプロも 相変わらず 純クラシックな作品が少ないなぁ・・・

とプログラム眺めて嘆息していたけど、上演された 数少ない グラン・パ・ド・ドゥ演目、やはり このフェスティバルに登場するダンサーだけあって、素晴らしすぎたっ。

 

特にロシア系のダンサー。

 

第一部 冒頭の 『ライモンダ』の

マリーヤ・アレクサンドロワ / ヴラディスラフ・ラントラートフ

(ボリショイ・バレエ団)

 

パ・ド・ドゥ だけでも、グランドバレエの 重厚感・ゴージャス感が炸裂。

正に “ボリショイ(大きい)”

 

『海賊』 マリアネラ・ヌニュス / ワディム・ムンタギロフ

(英国ロイヤルバレエ)

 

27年前、第8回のフェスティバル(1997)に 若干15歳で初登場していたという ヌニュス。

 

優雅な太陽 のような明るさと陽気さで、観ているうちにこちらも笑顔になりそうな幸福感溢れるダンサー。

 

2019年、英国ロイヤル・バレエ団の来日公演で 『ドン・キホーテ』 を上演したとき、前年の WBF で観たヌニュスがキトリのイメージにぴったりな気がして、彼女とムンタギロフが主演する日に観に行ったんだもん。

 

YouTubeばぶチャンネルみてね!(^◎^)ばぶー 英国ロイヤル・バレエ団 『ドン・キホーテ』

 

『海賊』のムンタギロフも素晴らしかった。

 

ダイナミックでしなやかで、『海賊』を踊る男性ダンサーとしての魅力を存分に発揮しているだけじゃなく、全てのパやポーズが音楽と同調している。

 

彼みたいに ロシア出身で西欧のバレエ団で活躍するダンサーって、双方の魅力を持ち合わせていて 本当に見応えある。

 

是非 全幕でも観てみたい!

 

それに つくづく感じたのは、超一流の世界的ダンサーって、本当に 基本的な身体の使い方が 超人的。

 

跳躍や回転 のような大技は、それこそ 体操・新体操・ブレイキンの選手たちがバレエの比じゃないような 離れ業をやってのけるし、

 

動画サイトで、バレエダンサーが ピルエット というより フィギュアスケートのスピンみたいな あり得ない回転技をアップしているけど、 やっぱり そういうのって “技術” だけとしての凄さ。

 

ダンサーを超越した “アーティスト” は、ただ単に たくさん回って ありえないほど飛翔して、ていうことではなく、そのあとの 着地・回りおさめがため息が出そうなほど美しい。

 

バレエ学校のおちびちゃんが練習するような、基本のポジションだったり、“つま先で立って降りる” だけの 何気ないところにエレガンスが漂う。

 

やっぱり これが バレエの 舞踊的な側面の醍醐味なんだろうな。

 

大トリ お約束のプログラム 『ドン・キホーテ』 の菅井円加さんとダニール・シムキンも凄かった。

 

円加さんの これ見よがしになりすぎない バランス技も見事だったし、

 

ダニール・シムキンは かつてこのフェスティバルに最初に登場したとき 『パリの炎』 で度肝を抜かれたダンサーだけど、今回も アラセゴン・トゥールで回りながら軸足をプリエしたり、ジャンプでファイブフォーティーを3連続してみせたり・・・ と大サービスで沸かせていた。

 

アジア人で このフェスティバルに登場するダンサーって、かつては 東京バレエ団のプリンシパルと BBLの小林十市さんんくらいだったけど、

 

最近は 海外のバレエ団で主要ダンサーとして活躍しているダンサーも複数 出演して、時代の流れを感じる。

 

オニール八菜(パリ・オペラ座 エトワール)

菅井円加(ハンブルク・バレエ団 プリンシパル)

永久メイ(マリィンスキー・バレエ ファースト・ソリスト)

大橋真理(モーリス・ベジャール・バレエ団)

キム・キミン(マリィンスキー・バレエ プリンシパル)

 

永久メイさん、華奢で愛らしい容姿で かつてマリィンスキー・バレエのラリッサ・レジュニナを彷彿とさせられるけど、しなやかさと強靭さとやわらかさを自在に使いこなしつつ気品もある、すごく魅力的なダンサー。

 

Bプロの 『ジュエルズ  より “ダイヤモンド”』 

かつては “睡眠導入プログラム” No.2 (No.1は『バレエ・インペリアル』)で、どちらかといえば退屈な演目だったけど、前々回のフェスティバル(第15回、2018年)に ミリアム・ウルド=ブラームとマチアス・エイマン(パリ・オペラ座) が踊ったのを観て、突然 この作品に目覚めた。

 

YouTubeばぶチャンネルみてね!(^◎^)ばぶー 世界バレエフェスティバル 2018

 

フランス的なエレガンスに溢れたミリアムは いうまでもなく 美しかったけど、永久メイさんもすごく見応えあり。

 

最初にこのバレエ観た時は 硬質で 冷たい印象だったけど、メイさんのダイヤモンドは なんというか、“魂を宿した宝石” のような雰囲気。

 

“宝石に魂を吸い取られた人間”、とは逆の “持ち主に心を奪われた/恋心を抱いた” 宝石 みたいな印象。

 

自身を身に着けることで 持ち主が魅力的になることに悦びを感じながらも、それ故に ほかの人間に奪われてしまうかもしれない、という葛藤と抗っているような。

 

マリィンスキー・バレエ で真ん中を踊る彼女を是非見てみたい。

 

早く ロシアのバレエ団(ボリショイ・バレエ、マリィンスキー・バレエ)が来日できるよう 世界が平和になって欲しい。

 

― 第1部 ―

 

「ライモンダ」第3幕より(マリウス・プティパ振付)
マリーヤ・アレクサンドロワ
ヴラディスラフ・ラントラートフ


「アミ」(マルセロ・ゴメス振付)
マルセロ・ゴメス
アレクサンドル・リアブコ


「ア・ダイアローグ」(ロマン・ノヴィツキー振付)
マッケンジー・ブラウン
ガブリエル・フィゲレド


「ジュエルズ」より“ダイヤモンド”(ジョージ・バランシン振付)
永久メイ
キム・キミン


「バクチIII」(モーリス・ベジャール振付)
大橋真理
アレッサンドロ・カヴァッロ


「海賊」(マリウス・プティパ振付)
マリアネラ・ヌニュス
ワディム・ムンタギロフ


― 第2部 ―

「ソナチネ」(ジョージ・バランシン振付)
オニール八菜
ジェルマン・ルーヴェ


「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ(ケネス・マクミラン振付)
サラ・ラム
ウィリアム・ブレイスウェル


「マーラー交響曲第3番」(ジョン・ノイマイヤー振付)
菅井円加
アレクサンドル・トルーシュ


「マノン」より第1幕の寝室のパ・ド・ドゥ(ケネス・マクミラン振付)
ヤスミン・ナグディ
リース・クラーク


「ニーベルングの指環」(モーリス・ベジャール振付)
ディアナ・ヴィシニョーワ
ジル・ロマン

 

― 第3部 ―


「ル・パルク」(アンジュラン・プレルジョカージュ振付)
アレッサンドラ・フェリ
ロベルト・ボッレ


「うたかたの恋」より第2幕のパ・ド・ドゥ(ケネス・マクミラン振付)
エリサ・バデネス
フリーデマン・フォーゲル

 

「欲望」(ジョン・ノイマイヤー振付)
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ

 

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ(ジョン・クランコ振付)
ドロテ・ジルベール
ユーゴ・マルシャン

 

「ドン・キホーテ」(マリウス・プティパ振付)
菅井円加
ダニール・シムキン


指揮: ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ: 滝澤志野(「アミ」、「ソナチネ」、「ル・パルク」、「欲望」)
 

第1部 14:00~15:20

休憩     20分

第2部 15:40~16:35

休憩     20分

第3部 16:55~17:50

 

世界バレエフェスティバル Bプロ

 

2024年8月10日(土) 所見