ルドルフ・ヌレエフが世を去って、はや30年。
もぅ オペラ座に “ヌレエフ世代” と呼ばれる現役ダンサーは誰もいないけど、久々にヌレエフの名を冠したガラ公演。
満を持して(というか、やっと) 日系人初のエトワールに昇格した オニール八菜 凱旋公演/お披露目の意味合いも濃厚。
もちろん 私のお目当ても この “新エトワール”。
期待に違わない、むしろ それ以上の舞。
これほど “エレガントなパッション” が迸るダンサー、はじめてかも。
パリ・オペラ座のバレリーナって、昔の私のイメージでは それこそ フランス人形や妖精みたいな 美しい&可愛い ダンサーだった。
イヴェット・ショビレ、ギレーヌ・テスマー、ノエラ・ポントワ、エリザベット・モーラン、今公演 座長のフローランス・クレール、現代だったら ミリアム・ウルド=ブラーム みたいな。
ヌレエフが芸術監督後、モニク・ルディエールや マリ・クロード=ピエトラガラ、現エトワールの ドロテ・ジルベール みたいな黒髪のエキゾチックなダンサーも登場するようになってきたけれど。
オニール八菜 舞姫はその両方のテイストを併せ持ったようで、また誰とも異なる個性の持ち主。
来年 2月にオペラ座の引越し公演があるみたい。
絶対 彼女の主演日で観に行くっ!!
あと、かつて ルグリのガラ公演で マニュエル・ルグリ/ローラン・イレール で上演された(まさか日本でこの二人で観られるとは思わなかった)「さすらう若者の歌」(モーリス・ベジャール振付)
やはり、若かりし頃の ルグリ が エトワール就任時に踊った 『ライモンダ』 を 現在のオペラ座ダンサーで観られたのも、とても感慨深かった。
ヌレエフから 直に薫陶を受けた フローランス・クレールならではの選択プログラム。
ダンサーの世代交代が繰り返されていても、ヌレエフのスピリットは受け継がれている。
<オペラ座ガラ> Bプロ
― 第1部 ―
「ゼンツァーノの花祭り」
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド
パク・セウン、ポール・マルク
「ナポリ」より第3幕のパ・ド・シス
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:エドヴァルド・ヘルステッド、ホルガー ・シモン・パウリ、ニルス・ウィルヘルム・ゲーゼ、ハンス・クリスチャン・ロンビ
ブルーエン・バティストーニ、イダ・ヴィキンコスキ、クレマンス・グロス、オーバーヌ・フィルベール、
ダニエル・ストークス、アントニオ・コンフォルティ
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン ©The George Balanchine Trust
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
オニール八菜、ジェルマン・ルーヴェ
― 第2部 ―
「さすらう若者の歌」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:グスタフ・マーラー
マルク・モロー、アントワーヌ・キルシェール
「コム・オン・エスピール」
振付:ユージン・ポリャコフ
音楽:ジョン・フィールド
オニール八菜、マチアス・エイマン
「くるみ割り人形」より
第2幕のグラン・パ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
ブレーエン・バティストーニ、ポール・マルク
― 第3部 ―
「ライモンダ」より第3幕のグラン・パ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパに基づく)
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
オニール八菜、マチアス・エイマン
ブルーエン・バティストーニ、イダ・ヴィキンコスキ、クレマンス・グロス、オーバーヌ・フィルベール、
アントワーヌ・キルシェール、ダニエル・ストークス、アクセル・イボ、アントニオ・コンフォルティ
7月30日 東京文化会館所見