音戸の瀬戸を歩く7~是非とも呉市からの倉橋島での観光でお立ち寄りくださいね~!~ | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

放浪日 2021年11月14日

 

還暦を迎える【音戸大橋】の歴史を学んで観ています

【音戸の瀬戸】を開削したのは“平清盛”であります

10ヶ月の歳月を費やした難工事の末、ようやく完成間近になったある日

潮の流れの関係からどうしても今日中に完成させたいと思った平清盛は

今ひととき日の明かりがあればと思い、沈みゆく太陽に向かって金の扇を振り

『返せ!戻せ!』と叫んだそうです

すると、太陽は『分かりました!』と戻ったと言う伝説があります

音戸大橋架設時でももどこかに居る清盛さんが

『今日を返せ!戻せ!』と工期に間に合わせたと言う伝説はありませんが

そんな動きもきっとあったと思うようにしましょうw

【音戸大橋】開通の新聞記事です

開通式には約700人が参加し、約150台の車で渡り初め式を行ったそうです

その後、橋は無料一般開放され、約5万人の人で賑わったと書いています

架橋による道路整備も大きな工事で、地元住民の仕事も増えたでしょう

“島の夜明け”と言われた【音戸大橋】開通の歓びを書いています

空には十数の飛行機が飛び交い、海上では島の漁船が多数大漁旗を掲げました

自衛隊の戦艦5隻が一斉放水をして空に虹をかけ

七色の風船五千個が大橋をよぎって大空に舞い上がったみたいです

そんな歓喜の中、喪服を着て参加した人もいました

架橋工事で犠牲になった職人さんの家族でした

終戦直後から架橋計画に私財を投じた人もいました

『そんな計画は夢だ』とホラ吹きと当時は言われたそうです

広島直通バスも運行されました

通行料金は30年で工事費を返還できるとあるが本当か?と書いています

実際には開通後13年で無料化されたので、予想以上の成功例でしょう

また、夜間は人件費が勿体ないので、無料化した方が良いと書かれています

昔の人の方がきちんと計算していると思います

架橋に便乗し、“観光の島”と“別荘地”とする勢いがありました

これも、一時は成功したのだと思います

架橋工事は1年11ヶ月で終わったと言うのは驚異的な記録です

また、この短い期間に約4万2千人の職人が働いていたと言う密度も驚異的です

さて、多くの人が歓喜した音戸大橋完成に難色を示していたのは

【音戸渡船】の関係者だったでしょう

当時は船頭が9人働いており、安定した生業だったそうです

経営者は架橋反対を訴えていましたが、国に1千万の見舞金を貰う事で妥協しました

9人の船頭には退職金約152万を渡して退職をしてもらい

今後は遊覧船に変えて経営をする気であると書いています

当時の【音戸渡船】の乗客は1日当たり約6000人

2010年代にはその1/30に落ち込みますが

通学する高校生にとっては渡船の方が利便性が高かったそうです

そして、【第二音戸大橋】架橋の計画が進んでいきます

渡船関係者は更に利用客が減ると抗議をしましたが

市の補助金で何とかすると言われ妥協をしてしまいました

【第二音戸大橋】のアーチの中央部は国内最大級の海上クレーン船で一括架設をしています

吊り荷重量は約3,500tと驚異的な重さでした

そして、2013年に【第二音戸大橋】は開通し

2021年に【音戸渡船】は廃止となりました

倉橋島の近くに【三ツ子島】と言う生まれ変わった島があります

昭和初期以降、この島には大日本帝国海軍の検疫所がありました

伝染病予防の為の消毒施設です

また、呉空襲で島に停泊されていた“空母天城”が損傷浸水着底した歴史もあります

2010年国有地であった【三ツ子島】を入札売却することになり

三ツ子島埠頭株式会社が1億1万円で落札しました

島は現状のままで管理して、メキシコ産の工業塩を輸入貯蔵しています

日本の工業塩の75%を担っています

そして、倉橋島から望める呉市でも

ひとつの昭和が終わろうとしています

【日鉄日新製鋼呉製鉄所】です

呉海軍工廠跡地に1951年(昭和26年)に建設された製鉄所です

高炉2基を有する大きな製鉄所は呉市経済の源となっていました

2020年、日本製鉄は呉製鉄所の3年以内の全面閉鎖を発表します

国内市場の縮小が見込まれる上、海外市場で競争が激しくなっている中で

設備の老朽化が進んでいることと

脱炭素系社会の実現に向けて新しい製鉄技術の開発費用が課題となっています

この課題は全国の製鉄メーカーが背負っており

日本製鉄は呉製鉄所の閉鎖をひとつの答えとしたみたいです

閉鎖までの間、鉄鋼製品の生産は引き続き行っていますが

高炉の停止で協力会社を含め製鉄所で働く約3000人の労働者の内

半数ほどが働く場を失うと言われています

2021年9月、呉製鉄所の高炉が全停止されました

今後が製鉄所の解体事業へと進んでいくそうです

そして、実は【第三音戸大橋】もあったのです!

2013年に開通した、第二音戸大橋の音戸側に掛かる歩道橋です

音戸大橋のミニチュア版として真似して造られたそうです

この橋上からは2つの音戸大橋も眺められて

面白い観光名所となっています

是非とも呉市からの倉橋島での観光でお立ち寄りくださいね~

 

ということで

久しぶりのあもんの町歩きは終わります