あもん史 第五十章 演舞 第五節 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

この演舞は“第31代発足演舞”である
よってこの舞台で海田高校応援団は引き継がれることとなる
次に行われた演目は幹部紹介である
幹部紹介は舞台上で団長により発表され
名前を呼ばれた幹部は一人ずつ“押忍”と答え前に出てくる


海田高校応援団第31代団長
Q
海田高校応援団第31副団長
マコ
海田高校応援団第31代親衛隊長
よっしー
海田高校応援団第31代リーダー部長
イグリ
海田高校応援団第31代女子リーダー部長
わかば
海田高校応援団第31代女子副リーダー部長
ナオ
海田高校応援団第31代総務部長
えり


あもん達はこの時
海田高校応援団を彼らに受け継いだ
第30代の応援道を
第31代に伝え継いでもらいたい
幹部の誰もがそう思うものであるが
海田高校応援団の伝統ではそう語ってはいない
あもん達もそうであったように
先代を貫いた応援道を一度、客観的に眺め考察し
自分たちが情熱を捧げる処を決め
その自分たちの応援道を貫き通してほしい
そして第31代は第30代を超える応援団で有って欲しい
あもんは第31代にそう願い海田高校応援団を伝え継いだ


しかし
海田高校応援団の長い歴史の中で
多くの演技が生まれては消えていったが
初代から受け継がれている演技が海田高校応援団にはある


『勝利の拍手』

『勝利の拍手』は毎年この舞台で
新団長が演舞することとなっている
勝利を願って応援をするものであるが
どんな恥ずかしがり屋でもできる応援がただ一つある


それは“拍手”である

応援とは“がんばれ~”と大声で伝えるだけではない
手を叩いて音を出す
それが単純で効果的な応援でもある
しかしそれがたった一人の拍手では心細い
だから海田高校応援団はこの『勝利の拍手』によって
観客の拍手を促し全員の拍手によってできる大きな応援を創る
それは海田高校応援団の基本的精神でもあるかもしれない
よってこの演舞はどれだけ観客に拍手をしてもらうかが真価であり
それには観客を拍手させるほどの魅力ある演舞でなければいけない
新団長はこの発足記念演舞で団長として初めての大仕事をするのである
バックは団員全員
鼓手はあもんである
新団長であるQが『勝利の拍手』を演舞した





第30代海田高校応援団演舞
『勝利の拍手』




さて、とうとう最後の演舞となった
この演舞を最後に海田高校応援団第30代幹部が引退する
最後の演舞はやはり『校歌』である
団長がリーダーとなり団員全員で校歌斉唱
鼓手はあもんである
その後エールを切り第31代発足記念演舞は終了をする
この時、団の象徴団旗を持っていた1年親衛隊員カズが動きを見せる


我等が母校の校歌を歌っている時は
母校に最善の礼を尽くさなければいけない
我等の大団旗を斜めに掲げ応援団は最善の礼を表現する
我等の大団旗は力で持つものではない
我等の大団旗は魂で持つものである
この文化祭演舞で魂を受け継ぐものは旗手しかいない


あもん達は最後にメッセージを贈った

我等 母校を出るとも
母校は 永遠に我等が母校なり

当たり前と言ってしまえばそれまでかもしれない
でも私達はその当たり前過ぎることを大切にしたいのである
私達が、母校が、そして世の中がどんなに変ってしまおうとも
私達の青春が広島県立海田高等学校の下にあったという事実だけは
永遠に変わることは無い

母校 海田に栄えあれ!


団長の口上が始まった

己から 
櫻の花に尋ね来し
三歳の夢の純情が
たとえ悲しき初恋に似て
儚く消ゆる定めとて
徒に憂い沈むが
青春なりや
おお我等
巷の夢にうそぶきて
今こそ歌わん
三歳の夢を

広島県立海田高等学校
校歌

元気よく一番だけ
レディーゴー



第30代海田高校応援団演舞
『校歌』




けざやかに 寄せ来る潮の
真蒼なる 追門をめぐりて
わが学ぶ 窓におとなふ
夢多く 若き生命の
歓喜の窓に おとなふ
七つなる 海洋にぞ続く
この潮に 諸手をのべて
汲まんかな 尽きぬ知識を
おお我等 選ばれてあり
汲まんかな 尽きぬ知識を




1992年9月27日
あもんの陣太鼓にて
『第31代発足記念演舞』の幕が下りた

あもんは海田高校応援団を引退した