手紙 | あもん ザ・ワールド

あもん ザ・ワールド

君へと届け 元気玉

あもんは手紙が好きである

 

 

 

 

記憶にある初めて貰った手紙と言えば
初めて一人暮らしをした大学1年生の頃だと思う
実家を離れ仕送り生活
あもんは親から月に一回、数万円の仕送りをしてもらい
そのついでに米やレトルト商品が入った段ボールも送られてきた
電車で2時間程度の距離で一人暮らしをしていたにもかかわらず
あもんは盆正月さえ実家には帰らなかった
当時は携帯電話や固定電話もなく
あもんは広島から疎遠となっていた




そんな時仕送りの段ボールに入っていた一枚の手紙
母からの手紙だった

 

 

 

 

 

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「ひとりでできるもん!」と言っていたあの頃
実は寂いしかったくせに変な修行妄想に陥り意地を張っていた
だけど、月に数万円のお金よりか
月に一度の母親からの手紙が嬉しかった
照れくさくも元気をもらい笑顔になれたが
だけどあもんは返事を書かなかった



大学に入って2カ月後
あもんは失恋をした
高校時代から付き合っていた彼女にフラれたのだ
今となっては不思議な話だが
この事実は遠く広島まですぐに伝わった
あれほど円満だったカップルに何があったのか?
そんな話題が沸騰したらしい
失恋のショックで落ち込んでいた日々
意地っ張りあもんは誰に相談することもなく耐え忍んでいた
するとあもんの元に一枚のはがきが来た
高校時代の応援団仲間からだった
そこには2枚に渡って描かれたあもんの姿
照れくさくも元気をもらい笑顔になれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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すると間もなくあもんの元に電報が来た
「至急連絡せよ」と書かれていた
差出人は別の応援団仲間からだった
あもんが公衆電話から電話をすると
「今からそっちいくけん、飲もうや。泊めてくれ」


電話を切ったあと

あもんは泣いた


旅を覚えたあもんは
旅の必需品として住所録を選んだ
旅先から朋への手紙を出した
いろんな県から送られてくる手紙にみんなは
「こいつ、何しとんじゃ~」と呟いていたらしい
旅先で出会った仲間たちと別れる時
あもんは必ず一冊のメモ帳を渡した
「これに名前と住所と一言をお願いします」
大学時代に集めた旅帳は3冊になった



就職をし広島に帰って
あもんはある女性とお付き合いをするようになった
このころから携帯電話も持ち始めた
車で約20分程度である彼女との距離
だけどあもんは手紙を書いた
すると彼女も手紙を書いてくれた
普通に会って普通に電話していた付き合いだったが
お互いに時間をかけて文字を綴り
返事を待つ日々を楽しみ
本当の気持ちを綴った手紙の付き合いをしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ある時、あもん姉ちゃんは結婚をした
嫁入り前夜
普通に家族で食事をして普通に過ごしていた
どうせ近所に住むことだし
最近は結婚を重くしない家系が多いからと
いつもと変わらぬ夜を過ごしていた
あもんが多少酔っ払いウトウトしていると
あもん姉ちゃんはあもんに一枚の手紙を渡した



「これ、あしたでも読んで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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翌日あもん姉は嫁いでいった


手紙は今となっては手間のかかる伝達手段である
便箋を買って、文字を綴り
何度も何度も書き直し
封筒に入れてポストに入れる
数日後、第3者の手から届けられる
日数に換算すると約1週間ぐらいだろうか
伝えるのに約1週間の時間を要する
伝える相手が遠ければ遠いほどその時間は増える


だけどあもんはその時間が大切だと思う
人を好きになるということ
それは自分の時間を捧げたいということ
手紙によって想う時間は増えていき
「今、どうしているのかな~」と想う時間を味わえることができる
文字や文脈、便せんや封筒の種類
まったく同じであるということは無いであろう
うまい下手にかかわらず
差出人が伝えたい気持ちが文脈で感じられ
差出人の個性が文字として主張する
便せんや封筒により差出人のセンスを見つけられ
綴られた一言に差出人の顔を重ね合わせ
手紙から声が聞こえる気がする


あもんは手紙が好きである

ブログをはじめて約10年以上経つが
あもんは手紙を書くことが少なくなってきている
いつもみなさんとお話できるという環境に安心し
あれほど苦手だったメールにも慣れてきた
だけど、ときどき寂しくなる
多くの表現がネット上に溢れ
「ひとりじゃない」といつも感じられるのに

ときどき寂しくなる







続く…