あもん史 第三十一章 純粋 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

ジョージという朋がいた
ジョージは華のサッカー部に所属しており
プレイよりもスタイルに定評のある選手であった
しかし華のあるスタイルの割にはおとなしい性格で
自分から前に出ようとする性格ではなかった
華のあるスタイルの割にはドンくさく
空振りしてコケては恥ずかしそうに笑っている奴だった


あもんはそんなジョージに2年生の時出会った
愛嬌のあるスマイルでジワリジワリと寄ってきて
いつの間にかあもんの膝の上にチョコンと座る奴だった
当時のサッカー部は女子に人気のあるクラブであった
故に派手な輩が多いクラブであった
応援団も存在感から目立っていたクラブであったため
応援団とサッカー部で交わりはしなかったけど
どこかで意識をしあう仲であった
そんな世論に気づかないのか気にしないのか分からないが

ジョージはいつもあもんに寄り添っていった




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ユニコーン『おかしな二人』



そんなジョージが恋をした
相手は年上の女性であった
ジョージはあもんに相談をした
『あ~も~ん どうしよ~』
あもんは恋愛経験が豊富ではなかったが
何故かこの時はお兄さん気取りで
ジョージの悩みに『ウジウジするなや~』と言っていた
『男だったら告白しろ!』

あもん兄貴はウジウジジョージの背中を押し続けていった

そんなジョージの恋が実った
あもんは自分のことのように喜んだ
でもジョージは悩んでいた
『あ~も~ん どうしよ~ 彼女、他の男子とカップジュース回し飲みしよるんよ』
『あれって間接キッスじゃろ~』
海田高校はどちらかというと全体的に男女の仲は良かった
男女グループで遊んでいる光景は日常的だったし
ジュースの飲み回しなんてカップル同士だけではなく誰でもやっていたものだ
『まぁ~大丈夫じゃろ~』と

あもんはジョージにヨシヨシとしてやった

そんなジョージは失恋をした
理由は聞かなかったがジョージはフられたのだ
ジョージはもちろん悩んでいた
悩むジョージにあもんは言ってやった
『いつまでも、引きずるんじゃねぇ!』
『大体、彼女からもらったネックレスをまだ持ってることがいけんのんじゃ!』

『今から、捨てにいくで~』
あもんはジョージの手を引っ張り、学校近くの港にたどり着いた
『さあ、ジョージ!終わったものは終わったんじゃ!』
『自分の手で終わらせんかい!』
ジョージのためらう時が流れた

あもんはじっと見守っていた
そして意を決したジョージはネックレスを握りしめ
『ばかやろ~~~』
と言って海に投げ捨てた
ジョージの瞳には涙があふれていた

あもんはジョージを抱きしめてやった

ユニコーン 『Maybe Blue』







あもんもジョージも三年生になった
同じクラスではなく隣のクラスになった
『あの二人、仲良しすぎるんちゃうん?』
そんな噂が流れていた
しかしこの時、ふたりには彼女がいた

あもん彼女はジョージと同じクラスだった
自然、彼女に会いに行くあもん
だが、ジョージとの会話が少なくなったあもん
そして、あもんの膝の上に座らなくなったジョージ
やがて、ジョージも彼女に会いに別のクラスに行った
『あの二人、ホモなんちゅうん?』

そんな噂が流れる中
あもんとジョージは一年生女子の人気投票の上位を占めるまで成長していった


ユニコーン 『人生は上々だ』


誤解の無いように言っておく
あもんとジョージは
決してユニコーンの『人生は上々だ』を唄いあう仲ではなかった
ただ単に仲の良かった男同士である

共に喜び共に笑い合える純粋な朋である
『よっ!あもん』『おぉ~ジョージ』という挨拶は
彼女と一緒にいるときも交わしていた
彼女らは決してヤクことはなかった
そしてあもんとジョージは
ただただ純粋に親交を深めていった












あもんとジョージ



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そこいらのワンレンボディコンには負けてはいなかった



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