そこにあるものを
見ていたら
ずっと見ていたら
新しい日本語が
生まれた
頂にあるもの
人が頂を目指していくのは
人間の性(サガ)みたいなものであって
無限のアンテナを張りめぐらせて目標を定め
その頂に立とうと思い立つ
そこに到達するには困難がつきもので
あらゆる谷を越えていかなければならない
しかし頂に立つと案外あっけないもので
その向こうにある頂が気になってしょうがない
きっと頂に何が在るのかを確かめるのが本心ではなく
頂までの足跡を残すのが快感なのだろう
頂を見上げる背中に人間の美学があって
頂までの道程を歩く顔が苦しそうでかっこいい
頂を書くにはまず一を書くから
なるほど人間は一にこだわっていて
首尾一貫なわがままもきっと
人間の性(サガ)なのである
人は皆
見上げる山が周りにあればあるほど
自然と頂に向かって歩いているのである
性・美・一・貫
此処ニ有リ