漂流しないことば | あもん ザ・ワールド

あもん ザ・ワールド

君へと届け 元気玉

『ことば』

人が唯一動物に勝るもの
ことばでココロを伝えられること

いとおしく尊び綴ったことばは
人が人であることの証明

ボクノキモチを綴った手紙に宛て先は無い
マダミヌキミへのことの葉便り

ことばは決して漂流などしない
僕から巣立ちあなたへ帰郷する


あもん詩集~スナフキンにあこがれて~より




人はことばを使うことができる動物である
ことばを使い表現することができる動物である
表現することにより伝えることができる動物である
数えきれない世の中の表現の中で一生のうちに
伝わることばは一体いくつあるのだろう?
一日のうちに伝わったことばを換算してみると

どうやらゼロの日が多いような気がしてやまない‥
これではいけないとTVやネット、
雑誌や辞書までもあさって探してみたけれど
どうやらどこにもなかったようだ



いかん!これではいかん!
そう焦り出したあもんは本屋の詩集コーナーに駆け込んだ
そこで見つけた一冊の本
ここには多くの漂流しないことばが綴られていた




その名を『名もなき詩』という




“詩集にも、教科書にも載らない。けれども、こんな素敵なコトバがあった。”
本の帯に綴られていたことばだ



ジェットストリーム‥‥‥城達也
現役引退挨拶‥‥‥長嶋茂雄
遺書‥‥‥円谷幸吉
全共闘グラフティー‥‥‥安田講堂内落書き
檄‥‥‥三島由紀夫
SEX‥‥‥マドンナ
『素人娘ジャパン』まえがき‥‥‥カンパニー松尾
神戸新聞社へ‥‥‥酒鬼薔薇聖斗
無題‥‥‥12歳登校拒否児
インタビュー‥‥‥有森裕子
子連れ狼‥‥‥小池一夫





多くの表現者が自らの表現であもんに伝えてくれた
だけど、あもんはみなさんと同じ表現はできない
当たり前である
あもんとあなたは違う人間どうしだから
しかし、あもんに伝わったことばを

“あもんなりの表現”に変換し伝えることはできる
当たり前である
何故なら、古来人類が繰り返し続けていることだからだ
人間が人間らしく生きるということだからだ



ことばは決して漂流などしない



そして
ことばのバトンは必ず繋がっている




『ことばのバトン』

納沙布岬で朝日を拝んだ旅人から
利尻島でウニ漁の舟を出す漁師へ伝わり
上士幌の牧場で乳を搾る小学生へ伝わり
中富良野でニンジン畑を耕す脱サラリーマンへ伝わり
竜飛崎階段国道をウォーキングする美脚志望OLへ伝わり
乳頭温泉で朝風呂につかる湯治客へ伝わり
皇居外苑をランニングするIT起業家へ伝わったことば


おはよう
だれにでも伝わる
はじまりのことば


六本木ヒルズで都会を眺めるフリーターから
富士山五合目で集合写真を撮る社員旅行の幹事へ伝わり
新穂高ロープウェイでアナウンスするガイドへ伝わり
東尋坊で座り込む自殺志願者へ伝わり
白川郷で一服する茅葺屋根職人へ伝わり
宇治でお茶を入れる丁稚小僧へ伝わり
大阪城公園で昼寝をするホームレスへ伝わったことば


こんにちは
だれにでも伝わる
なかよしのことば


心斎橋でたこやきをほおばるキャッチから
神戸でそばめしを作る屋台のおやじへ伝わり
高松で讃岐うどんを注文する係長へ伝わり
土佐でかつおのたたきを炙る板前へ伝わり
尾道で行列のできるラーメン屋に座った観光客へ伝わり
広島でお好み焼きをひっくり返す近所のおばちゃんへ伝わり
下関でふぐを運ぶ若女将へ伝わったことば


いただきます
だれにでも伝わる
かんしゃのことば


福岡で明日を夢見るストリートシンガーから
長崎でカステラの味を守り続ける会社役員へ伝わり
熊本城史跡復元に知恵をしぼる設計者へ伝わり
桜島の降灰確率を発表するニュースキャスターへ伝わり
屋久島で木々の蘇生力を力説するネイチャーガイドへ伝わり
ヨロン島で星砂の瓶詰めを売るおばあちゃんへ伝わったことば


おつかれさま
だれにでも伝わる
がんばったのことば


那覇で9杯目の泡盛をおかわりをする移住者から
座間味島で夜光虫の光に見惚れる中学生へ伝わり
久米島でカエルウオの写真をプリントアウトするダイバーへ伝わり
伊良部島でカジュマルの木に話しかけるジイジィへ伝わり
石垣島で島らっきょうをかじるキャンパーへ伝わり
竹富島で三線を習うヘルパーへ伝わり
波照島で南十字星を心にスケッチする詩人へ伝わったことば


おやすみ
だれにでも伝わる
やすらぎのことば


だれにでも 伝わる
だれからでも 伝わる
今日一日の ことば
一日五回は 伝えよう
一日五回は 笑顔でいよう
一日五回は 誰かと生きよう


簡単なことばから
始めればよい




あもん詩集~ティーンに捧げる宝物~より