2009年8月2日
あもんは今から約３年前
恋をした
ひと目惚れである
偶然見かけた街角で
ビビビッつときたあもんは恋に落ちた
閃きを大切にするあもんは恋に落ちやすい
そして落ちた恋は何年たっても冷めることはない
あもんは彼女の近くに歩み寄ってみた
勇気を持って話しかけてもみた
しかし、それは“叶わぬ恋”であった‥
なぜなら彼女はもう居なかったからだ
あもんが恋をした女性
それは『みずずちゃん』である
失恋のショックからようやく立ち上がったあもんは
３年ぶりに彼女のお家を訪ねた
どうやらストーカー化しているみたいだ
彼女の住む町は多くの人が集っていた
お祭りだからかと初めは思ったけれど
どうやら違う様子である
多くの人が彼女の近くで立ち止まり見つめていたのだ！
みずずちゃんはモテるのである
なぜなら、みすずちゃんは“かわいい”からである
誰もがこの写真で一緒に映りたかったと願っているのである
誰にでもやさしいみすずちゃんは
あもん達ストーカーにも話しかけてくれる
町の至る所から話しかけてくれるのだ
『大漁だ～大漁だ～』
『ちょいとのぼってみたいのよ』
『からりころりと通りゃんせ』
『私は好きになりたいな～』
『明るいほうへ 明るいほうへ』
『見えぬものでも あるんだよ』
『みんな ちがって みんな いい』
みずずちゃんは可愛くて優しい女性である
町を歩いていると何処からか歌声が聞こえてきた
歌声を訪ねて見てみると
そこにはみすずちゃんの詩を唄っているおじさんがいた
聞くとおじさんはもう何十年もみすずちゃんの唄を唄っているそうだ
ライバルである
しかも強敵である
みずずちゃんの唄を調べると
どうやら多くの人が唄っているみたいだ
ライバルである
ライバルが多すぎるのである
悔しいあもんはみずずちゃんに話しかけた
『みすずちゃん～あもんも詠うからね～』
あもんはみすずちゃんの詩を詠んだ
いっぱい詠んだ
それを聴いてくれたみずずちゃんは
あもんに返事をしてくれた
『みんな ちがって みんな いい』
嬉しかったあもんは
みずずちゃんへのラブレターを詠んだ
あもん詩集～島国からの贈物～より
『みすずといっしょ』
今となっては年下の
金子みすずが詠んだ詩
いなくなってからみすずを知り
年号変わった今詠んだ詩
うなずく想いは
みすずといっしょ
感ずる風情も
みすずといっしょ
愛する心も
みすずといっしょ
やさしいまなこも
みすずといっしょ
今も昔も
みすずといっしょ
あしたもあさっても
みすずといっしょ
だから いい
人間って いい
みんなにモテるみずずちゃんは
きっと多くの告白をされたのだろう
告白をされたみずずちゃんは
きっとこう言っているに違いない
『みんな ちがって みんな いい』
だからみずずちゃんは
モテるのである