ジョジョ哲学  第8章 記憶 | あもん ザ・ワールド

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君へと届け 元気玉

ドメニコ・プッチ(ウェザー・リポート)

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スタンド名 「ヘビー・ウェザー」
能力 
太陽光線の地球大気突入時の屈折率をウェザーリポートの天候を操作する
能力で変化させ天然の「サブリミナル効果」で生物の精神に影響を及ぼす
自らがカタツムリになっていくと思い込む








アメリカ深南部の蒸し暑い夜中
ある町の産院でひとりの赤ん坊が産声をあげた
だがその男の子は朝の光を見る前に息を引き取った
彼女は我が子の死を受け入れてはいなかった
医者や看護婦がまだその子の死に気づいてないうちに
彼女は別室にいた同じ日に生れていた双子の赤ちゃんのひとりとすり替えてしまった
彼はウェス・ブルーマリンという名で育てられていった








生まれたての赤ちゃんの記憶
それはたったひとりの母親だけが知っている記憶であった
すり替えられなかった赤ちゃんはエンコリオ・プッチだった
それはだれの記憶にも残らない事実だった










ウェスはエンコリオ・プッチの実の妹であるベルラ・プッチと出会い恋に落ちた
ウェスを自分の兄弟と知ったエンコリオ・プッチは悩んだ末に思った
妹を傷つけることだけは絶対に避けなければならない
プッチはウェスをゴロツキに脅させるためにある私立探偵に依頼した
ウェスを調べた私立探偵は古いしきたりを受け継いでいるものだった
ウェスの母親が黒人と結婚していたという理由だけで
ウェスを襲い崖の上の木にロープで吊るされた
ベルラはウェスを木から下ろすと
「あたしの心の中にはもう 雨が降ることさえない」とつぶやき
崖の下の湖に身を投げた









ベルラの死を認めたその時
エンコリオに矢が刺さりエンコリオはスタンド使いになった
そして双子の弟であるウェスもスタンド使いとなりウェザーとなった










ウェザーはベルラのことを知ると彼女を追って崖から飛び降りた
だが突風が吹いたせいで途中、壁面へ横に叩きつけられ骨折しただけだった
湖にも飛び込んだが波が起こって押し戻されるだけ
「なぜ オレを死なせてくれない?」それが彼の運命だった
彼の運命はすべての人々を憎み始めることを助長した









哀しい記憶は忘れられることができる
しかし消すことはできない
いつしかごはんに納豆をかけているときのような
思いがけないところで思い出すことができる
記憶を消したい
この時のウェザーの心はそう思っていたに違いない












双子の兄であるエンコリオは悟った
ウェザーの記憶は彼のためにも自分のためにも良くない
スタンド能力でベルラの記憶をディスクにできたエンコリオは
ウェザーの記憶を奪った




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ウェザーはなぜ自分の記憶がなくなったのかは知らなかったが
自分の記憶を奪ったのはエンコリオであることは知っていた

しかもエンコリオが悪であることも知っていた
「お前は自分が悪だと気付いていないもっともドス黒い悪だ」とも言った
きっとウェザーの記憶は完全には消滅されていなかったのだろう
何が正義で何が悪かまでは消滅できなかったのだろう

そして、エンコリオがディオの骨と融合し
それによってジョースター家の肉体のあかしである星型のアザを手に入れたウェザーは
その瞬間にウェザーにはジョースター家の「正義の心」という記憶が生まれたのだ

ディスクによって記憶を取り戻したウェザーは
人が無差別にカタツムリになっていく現象を見て
同志のアナスイにこう言っている






「俺を殺すんだ 頼むぜアナスイ」
「オレは自分では自殺はできない 俺を殺せばスタンドは止まるだろう」
「カタツムリ化する者に対して気の毒に思う気持ちもあるが、オレは自分の人生を呪っている」
「この現象に対して何かスカッとする気持ちも心の底にはあるんだ」
「俺の唯一の生きる希望はエンコリオと決着をつけることだ」





そして二人は戦った
そしてウェザーは敗れた
エンコリオ・プッチの引力に敗れた



※この哲学は単行本「ジョジョの奇妙な冒険ストーンオーシャン」の第14巻~16巻を参考としています
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